米国市場とは違う日本市場 - 日本における戦略は?

MySQL Senior Vice President兼MySQL日本法人 代表取締役社長のLarry Stefonic氏

米国の市場と日本の市場は違う。当然、似ている部分もあるが、異なる部分も多い。米国市場と日本市場の違いについて聞くと、同氏は、特に「日本のコミュニティはソースを改造することがほとんどない」という点を挙げた。一方、共通点としては、Web 2.0関係者や教育関係、または先進的な開発者がMySQLを採用することが多いということがあるようだ。

さらに、日本でPostgreSQLに人気がある点について触れると、「PostgreSQLの方がマルチバイトのサポートがMySQLよりも2年ほど早かった」ことが理由の1つではないかと分析した。

このように米国とは状況が違う日本市場だが、その対策について聞くと、Mickos氏は「まさにLarry Stefonic氏をMySQL日本法人の代表取締役社長とし日本の担当としたことが重要な取り組みだ」と説明した。日本市場でビジネスを展開していくには日本の文化を理解することが重要になる。Larry Stefonic氏は、MySQLにおいてアジア、特に同社の言う「北アジア(日本、中国、韓国)」を担当してきた人物であり、その辺りに明るい人物だという。

日中韓を北アジアと一括りにしても、その文化は3国それぞれでかなりの隔たりがある。「文化の理解は大変なものではなかったか」という質問に対してStefonic氏は、嘆息をもらし、「まさにその通りだよ」と苦笑した。ただし、「このような異なる文化への理解を深めることはエキサイティングで楽しいことだ」と強い意欲を見せた。

MySQLとPostgreSQLが排他的ではないという点はMySQLにとって幸いだと同氏は説明する。日本はデータベース市場としては世界第2の大市場。そうした市場においてMySQLを未開の領域へ展開していこうとしているようだ。

日本市場における具体的な成長戦略は2点に集約される。まず、日本におけるパートナーのサポートを強化して従来の取り組みを推進すること、そして依然として参入できていない市場でパートナーを見つけて、パートナーシップを拡大していくことだ。

同社は、日本語サービスの拡充にも積極的に取り組んでいる。最新版のMySQL Enterpriseのサポートが日本語で提供されるようになったほか、日本語でのMySQL認定試験が開始されている。「敷居は低くなっているので、ぜひ活用してほしい」(Stefonic氏)とのことだ。

MySQLは日本を戦略上重要な市場として位置づけている。このためUIやサービスなどの日本語化を積極的に進めているようだ。日本におけるMySQLの展開に今後も注目していきたい。