PostgreSQLは競合ではなくOSS共同戦線の同志 - MySQLは新分野をねらう

MySQLの競合といえばPostgreSQLがまっさきに浮かんでくるところだが、Marten Mickos氏は「PostgreSQLは共同戦線をはっている同志であって競合相手ではない」と述べる。ターゲットとしている領域が異なっているうえに、OSSとしてプロダクトを展開している仲間というわけだ。

高機能なPostgreSQLは、OracleやMicrosoftのプロダクトと競合するという。「そうした有償製品と対抗していていることはすばらしいし、OSSの優れていることろを証明するものだ」と説明する。

一方、MySQLは導入の簡易さが売りのデータベースになる。PostgreSQLやOracle Databaseなどとは異なり、Webアプリケーションやオンラインアプリケーションといった分野で使用されるものだという。したがって、「Oracle Databaseが必要であればそれを採用すればいいし、PostgreSQLが必要であればそちらを採用すればよい。状況に応じて適切なものを選ぶべきだ」(同氏)というスタンスを取っている。

組み込み市場や新規市場の開拓を狙う

MySQLは、組み込みデータベース市場で需要が拡大しているそうだ。

「組み込み」といっても、ここでは日本でいうような「小型デバイスへの組み込み」ではなく、「アプリケーションそのもの(パッケージ)への組み込み」や、「パワフルなアプライアンスへの組み込み」のことを指す。MySQLはすでにセキュリティ関連のプロダクトへの組み込み市場で実績があるという。アンチウィルスアプリケーションや侵入検知システム、POS端末への組み込みなどだ。

組み込み市場に対するMySQLの展開戦略は、ほかの市場への取り組みと同じだ。MySQLが扱いやすいプロダクトであることをアピールして採用を増やしていくという。また、それ以外の未開の市場に対しても参入を進めていく構えだ。