9月6日から開催されている第32回トロント国際映画祭。11日(現地時間)に、日本・カナダ・イタリアの合作で正式出品されている『シルク』がプレミア上映された。この上映会にはフランソワ・ジラール監督をはじめ、豪華出演陣の中から、主演のマイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、芦名星が出席した。
とくに、いま世界が最も注目するハリウッド女優の一人、キーラ・ナイトレイがレッドカーペットに現れると大きな歓声が上がった。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで人気を不動のものとし、『プライドと偏見』でアカデミー主演女優賞にノミネートされた22歳。この日は、白いレースのミニ・ワンピース姿で詰めかけた報道陣に笑顔を見せていた。
日本からは芦名星が参加。本作では主人公が恋心を抱く異国のヒロインを演じる。まだまだ知名度は高くないが、これからの活躍が期待される23歳の新星だ。黒地に花模様のシックな着物に漆黒の長い髪で登場し、"アジアンビューティ"らしさをアピールしていた。彼女の参加は、映画祭主催者とカナダの配給会社からの強い要望だったそう。この映画祭で注目を浴び、"第二の菊地凜子"誕生なるか、という興味もわいてくるエピソードだ。
彼女たちが顔を合わせたのは、この時が初めて。晴れの舞台で、西洋と東洋のヒロインが初の"競演"を果たすという、うれしい演出が実現した。
プレミア上映の会場となった600人収容のエルジン・シアターは満員状態。112分の上映が終わると、観客たちは惜しみない拍手を送り、監督らは満足した様子だった。
本作は、19世紀に生きた、蚕を取引するフランス人商人(マイケル・ピット)の物語。妻(キーラ・ナイトレイ)のある身でありながら、蚕を求めて旅した最果ての地・日本で一人の女性(芦名星)に心を奪われる。官能的で魅惑的な世界は、誰をも虜にする愛を紡ぎだす……。原作はイタリアのベストセラー、アレッサンドロ・バリッコ作の『絹』。
日本では、2008年1月より東京・日劇3ほか東宝洋画系にて全国ロードショー予定。出演は他に役所広司、中谷美紀、アルフレッド・モリーナ、國村隼、本郷奏多ら。音楽は坂本龍一が担当している。
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