ヤマハ発動機は、500ccの水冷2気筒エンジンを搭載する大型スクーター「TMAX」について、新設計のアルミフレーム採用などのモデルチェンジを行ない、9月28日から開催されるパリ・ショー2007に展示すると発表した。10月以降、2008年モデルとして欧州市場で発売される。日本での発売は未定。
初代「TMAX」は2001年に欧州で発売が開始された。当時は「マジェスティ」などが欧州で大型スクーター市場を拡大していたが、より広いエリアでの高速ツーリング機能、タンデム快適性を求めるニーズに応えるため500ccの「TMAX」が投入された。TMAXは250ccスクーターの拡大版ではなく、フレームマウントの2気筒オートマチックエンジン、ダイヤモンド型高剛性フレーム、モーターサイクル型のフロントフォークの採用などにより、いままでのスクーターとは一線を画する走行性能を獲得。"オートマチックスーパースポーツ"と呼ばれる新たなポジショニングを築いた。その後、2004年にF.I.(フューエルインジェクション)やフロントダブルディスクブレーキを採用するなど、改良を続けてきた。
今回の2008年モデル「TMAX」はフレームを一新。メイン及びリアフレームに軽量なダイキャスト製アルミフレームを採用し、剛性とユーティリティ性を両立させた。メインフレームとリアフレームの連結部にはアルミ押出し材を使用。エンジンマウントは従来どおりフレームへのリジットマウントとしている。
足回りは、フロントを120/70-15インチのラジアルタイヤに変更(従来モデルは14インチ)。これで前後15インチとなった。フロント廻りのディメンションも一新。極低速から高速域まで自然なハンドリング特性とした。フロントフォークインナーチューブ径は41mmから43mmに拡大。また、ステアリング軸受けのボールベアリング外径を47mmから55mmとし、摺動抵抗の低減を図った。
エンジンの基本仕様は従来と同じだが、吸気効率を向上させるために新作エアクリーナーを採用。F.I.も最適化され、低速トルクの向上と追い越し加速での優れた特性を引き出した。排気系は新設計マフラーを採用。リアカウルの流れと連動させYZF-Rシリーズを彷彿させるデザインとなっている。
主な仕様は、全長2,195mm×全幅775mm×全高1,445mm、シート高800mm、ホイールベース1,580mm、乾燥重量203kg、水冷・4ストロークDOHC並列2気筒4バルブエンジン499cm3、内径φ66mm×行程73mm、最高出力32.0kW/7,500rpm、最大トルク46.4Nm/6,500rpm、タイヤサイズ前120/70R15、後160/60R15など。ボディカラーはマットグレーメタリック、ダルパープリッシュブルーメタリック、シルバー、ブラックメタリックの4色。ABSモデルも用意されている。