国立新美術館では26日より、「アムステルダム国立美術館所蔵フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」を開催する。開催期間は12月17日まで。

「牛乳を注ぐ女」 ヨハネス・フェルメール 1658-59年頃 アムステルダム国立美術館所蔵

(c) Rijksmuseum Amsterdam

風俗画とは人々の日常生活を描いた絵画のことを指す。17世紀にスペインから独立を果たしたオランダでは、未曾有の経済的発展を背景に富裕な市民階級が台頭。美術の分野においても上流市民たちが主役となり、風俗画の人気が高まったと言われている。今回の展示会では、オランダ美術の宝庫として知られるアムステルダム国立美術館の膨大なコレクションより、ヨハネス・フェルメールやヤン・ステーンなどオランダ17世紀を代表する画家の他、外光と大気の表現に鋭い感性を示したハーグ派の画家たちの作品100点が出品。17世紀初めから19世紀末までにおけるオランダ風俗画の多様な展開を紹介するという。加えて、豪華な工芸品16点も展示され、オランダ上流市民の豊かな暮らしぶりを窺い知ることができるとしている。

今回のハイライトは、日本初公開となるフェルメールの「牛乳を注ぐ女」。牛乳を注ぐという日常のありふれた女性の行為が圧倒的な存在感で描かれているもので、フェルメール作品においてとりわけ高く評価されている。本展は巡回の予定がないので、日本で鑑賞できる貴重な機会になりそうだ。

開館時間は10時~18時(金曜日のみ10時~20時)で、毎週火曜日が休館日となる。入館料は一般1,500円、大学生1,200円、高校生800円で、中学生以下が無料。