東京・台場にある商業施設「アクアシティお台場」内にあるラーメンテーマパーク「ラーメン国技館」は8日、第6期の6店舗をオープンした。同テーマパークは約3年の期間限定で営業されており、500平方メートルほどの施設の中に、全国から選りすぐったというラーメン店6店舗が集結。1期は約半年で、期ごとに店舗を入れ替える。これまでに計30店舗が同テーマパークで営業してきており、第6期はファイナルシーズンとなっている。
「ラーメン国技館」エントランス |
今回は北は北海道、南は福岡まで、タイプの異なる6店舗がラインアップ。一カ所で全国各地のご当地ラーメンを食べられることや、色々なジャンルの味を楽しめるといった点を重視し、全国からまんべんなく店舗を選んでいったという。
北海道「札幌ラーメン 麺処 白樺山荘」
まず北海道・札幌から出店するのが、「札幌ラーメン 麺処 白樺山荘」。ジャンルは味噌で、秘伝のタレによるこってりした濃厚な味が特徴とのこと。ラーメン激戦地の札幌において、脱サラ後ラーメンの世界へと飛び込んだという店主・菅沼省五氏は、自由な発想力をもとにした独創的なラーメンづくりで評判に。味噌ラーメンの王道を守りつつ、味噌独特の臭みを消し、味噌と挽き肉の旨みを加えるなど独自の工夫をこらしているという。
群馬「群馬 常勝軒」
群馬からの出店となるのが、東京・東池袋の名店「大勝軒」をルーツとする「群馬 常勝軒」。大勝軒の流れを汲む師匠の下で修業した店主・冨山哲也氏が、新しさを追及し続けて開発した魚貝豚骨で勝負する。豚骨や鶏ガラなどの動物系素材をベースに、カツオ節や煮干などの魚貝系素材をふんだんに使ったスープは、三段階の工程を経てじっくり仕込んだものだという。麺もコシのある自家製麺を使用する。
北海道「札幌ラーメン 麺処 白樺山荘」の「味噌チャーシューメン」950円 |
群馬「群馬 常勝軒」の「アクアシティ限定特製常勝軒スペシャル」980円 |
東京「初代 けいすけ」
東京からは、個性派と評判の「初代 けいすけ」が出店。フレンチや和食を経験後、ラーメンの道へと進んだ店主・竹田敬介氏は、食用の竹炭による黒色のスープという斬新なラーメンを完成させ、行列のできる店へと成長させていった。ジャンルは味噌で、7種類の味噌と竹炭を合わせて熟成させた、濃い味わいながらまろやかに仕上げた真っ黒な味噌ダレを使っているという。生姜をきかせたり、生クリームで味を引き締めるなど、他業種出身ならではの食材づかいで最後まで食べ飽きない味わいになっているとのこと。
福島「会津・喜多方ラーメン 坂内食堂」
喜多方ラーメンで知られる福島から出店するのは、昭和33年創業で、地元では御三家と呼ばれる「会津・喜多方ラーメン 坂内食堂」。「毎日食べても飽きないラーメン」を目指したという初代の心意気を、二代目店主・坂内章一氏が引き継いでいるという。ジャンルは醤油で、あっさりしながらコクのある透明な豚骨スープ、手もみで仕上げた高加水の平打ち縮れ太麺、とろけるようにやわらかいチャーシューのバランスのとれたおいしさが特徴とのこと。
東京「初代 けいすけ」の「黒味噌スペシャル」980円 |
福島「会津・喜多方ラーメン 坂内食堂」の「焼豚ラーメン」850円 |
富山「濃厚黒醤油富山ブラック 麺家いろは」
富山からは、ご当地ラーメンとして"富山ブラック"の通称で人気という「濃厚黒醤油富山ブラック 麺家いろは」。脱サラ後事業に失敗し、背水の陣でラーメンに挑んだ店主・栗原清氏は、濃厚な旨みの魚醤と、動物系のスープと白エビなどの魚介系スープを合わせたスープを開発。インパクトのある真っ黒なスープはまろやかでさっぱりした味わい。白エビや富山湾の海洋深層水など、地元ならではの食材を生かしたご当地ラーメンは、富山県知事からの推奨も受けているとのこと。
福岡「博多 一幸舎」
博多から出店する「博多 一幸舎」のラーメンは、濃厚でこってりという豚骨ラーメンのイメージを変えようと、店主・吉村幸助氏が作り上げたメニューが人気。濃厚ながら、しつこくない旨みが特徴の豚骨ラーメンになっているという。2つの大釜で大量の豚骨を煮込み、追い足しを繰り返すことで豚骨の旨みを引き出しているとのこと。地元食材を厳選して使用し、極細の平打ち麺、とろけるような食感のチャーシューも、スープとのバランスを考えて組み合わされている。
富山「濃厚黒醤油富山ブラック 麺家いろは」の「濃厚黒醤油お台場プレミアム」980円 |
福岡「博多 一幸舎」の「一幸舎スペシャル」980円 |
席数は各店舗26席で、営業時間は11時~23時。第6期は5月上旬まで開催予定としている(正確な日程は要問合せ)。
また、10月6日からは特別企画として、同施設内の6店舗で「汁なしラーメン」を販売する。この汁なしラーメンは、自称「日本一ラーメンを食べた男」のラーメンデータバンク代表取締役・大崎裕史氏とのコラボレーションによって完成したもの。汁なしラーメンとは、その名のとおりスープがない、もしくはごく少量のみとなっているラーメンのことで、タレなどを麺に絡めて食べるスタイルとなっている。これまでスープばかりが注目され、あまり目立たなかった"麺"がクローズアップされた形となり、ラーメン業界では近年ひそかな話題となっているという。今期の参加店6店がそれぞれの独創的な汁なしラーメンを開発し、大崎氏に試食・評価を受けた上で、販売を開始する。2007年末までの販売予定としている。