第92回二科展が5日より、東京六本木の国立新美術館にて開催している。約1世紀近くにわたって日本の美術界をリードしてきた二科展は、2006年まで東京都美術館と上野の森美術館の2会場で開かれていたが、今年から国立新美術館に会場を移し、同美術館の全館を利用して絵画・彫刻・デザイン・写真の4部門すべての作品を一堂に展示する総合美術展となった。開催期間は17日まで。

「第92回二科展」。東京六本木の国立新美術館で二科展を行うのは初

今年は全体で約23,000点の応募があり、うち2,053点が入選した。また、受賞作品は157点に上る。同展覧会を主催する二科会は「2007年からは審査をより厳正にしたので、特に絵画部門において、入選が少なくなっている。また、大作が多いのも特徴」と指摘。また、二科会会員の松任谷國子氏は「前回より入選数が約100点少なくなっており、審査基準を厳正化する傾向は今後も続くと思います。審査員一同、二科展というブランド力をより高めていくことが重要と考えておりますが一方で、二科展は公募展。誰もが応募できる"間口の広さ"を大事にし、どんどん参加していただければ」と述べた。

5日10時からはテープカットが行われた。写真左から彫刻部代表・細井良雄氏、二科会理事長・織田廣喜氏、写真部代表・大竹省二氏、デザイン部代表・今村昭秀氏

テープカット後、開場を待ちわびていた来場者が続々と入場

会期中の毎週金曜日18時からは「金曜ナイトミュージアム・ミニコンサート」が開催。7日には名曲『メリー・ジェーン』で有名なつのだ☆ひろが出演する。また、9日13時30分~15時には二科展の作品を二科会会員が解説するギャラリートークも実施される。その他、視覚に障害のある方にも手で触れて鑑賞できるように立体化した「触って観る」ポスターアートも展示される。

開館時間は10時~18時。なお、金曜日は10時~20時(野外展示を除く)。入場料は一般1,000円、大学生・高校生800円、小中学生400円。

二科展の中でも伝統の古い絵画部。1階は会員・会友。2階は会友と一般、3階は一般という風に分かれている

絵画部・総理大臣賞を受賞した香川猛氏の「山彦」。1階に展示

彫刻部。内部には様々な趣向の凝らされた彫刻が並ぶ

写真は絵画部・文部科学大臣賞を受賞した登坂秀雄氏の「円-語らい-」

野外展示場もある。写真は金景ミン氏の「大地の気運」(彫刻部・二科賞受賞)

写真部は2階に展示されている。写真部・二科賞を受賞した宮内勝廣氏の「化粧鏡」

初めて来た人でも各部に貼られているか配布されている早見表で確認すると、見たい作品がすぐ見つかる