地方公共団体の防災対策を支援する財団法人 消防科学総合センターは、震災時の備えについて聞いた「震災時にあってよかったもの」調査結果をまとめた。今回の調査は8月11日~13日にかけて、震度6弱以上を観測した地域に住む20歳以上男女を対象に、ウェブサイト上にて行われたもの。

調査結果によると、今後の災害対策に求められる備蓄食品として「即席めん」(65.5%)がトップとなった。次いで「缶詰」(63.3%)、「即席味噌汁」(46.8%)、「ビスケットなどお菓子」(46.6%)「レトルトカレー」(39.5%)、「レトルト・無菌パック米飯」(35.7%)と続く。

一方、被災時に家にあった食品について尋ねると、先ほどと同じく「即席めん」(77.6%)が1位。次いで「缶詰」(71.0%)、「ビスケットなどお菓子」(60.5%)、「即席味噌汁」(51.6%)、「レトルトカレー」(38.9%)の順だった。一方、保存食の代名詞とも言える「乾パン」を挙げた人は7.5%と少数派。「被災した時に家にあった食品」と「今後の災害対策に求められる備蓄食品」のランキングがほぼ重複していることについて、同センターは「即席めんや缶詰など、普段から食べ慣れている食品を買い置きすることも、震災時には有効であることが示されている」と指摘する。なお、大地震などの震災に備えて用意しておいた方がよいと思う食品については「缶詰」(71.2%)、「即席めん」(68.8%)、「レトルト・無菌パック米飯」(63.3%)の順となった。

また、大地震などの災害に備えて用意しておいた方がよいと思うものを、複数選んでもらったところ8割以上の人が「懐中電灯」と「水」を挙げた。さらに、6割以上が「携帯ラジオ」「食料」「乾電池」「卓上コンロ」「タオル」「現金」「ポリタンク」「軍手」「救急セット」が必要と回答した。なお、「水や懐中電灯などはもちろん必要ですが、断水した時などにはポリタンクや、それを運ぶカートなどがあるとより便利です」(同センター)とのことだ。

さらに、大地震の際にどんなことに困ったかという質問には「生活用水(洗面、洗濯、入浴)」(65.5%)、「トイレ」(54.4%)、「飲食用の水」(53.5%)など水に関することが上位を占めた。それ以外では「家族との連絡」「食料」「燃料」などが挙げられた。また、保存食や災害用品を入れておく「非常持ち出し袋」を被災前に用意していたと回答したのはわずか8.1%にとどまったが、大地震を経験後に非常持ち出し袋を備えた人は被災前の約3.5倍に上っている。これらの結果を踏まえ、同センターは「"災害時の備え"と堅苦しく構えるのではなく、日常的なものを切らさずに身近に置くだけで、大きな備えになることを意識してほしい」と話した。