コカ・コーラシステムは28日、ペットボトル飲料におけるプレミアム緑茶の新ブランド「綾鷹(あやたか)」を発表した。同ブランドは、450年の歴史を持つ京都・宇治の老舗茶舗「上林春松本店(かんばやししゅんしょうほんてん)」との協働によって生まれたもの。10月8日には新製品「綾鷹 上煎茶」を発売する。

10月8日に発売となる「綾鷹 上煎茶」

東京・日本橋のホテル「マンダリン オリエンタル 東京」で開催された新製品説明会には、日本コカ・コーラの代表取締役社長であるダニエル・H・セイヤー氏や開発スタッフらが登場。まずセイヤー氏は、「今年度はコーヒーやスポーツ飲料、コーラの分野において新しい取り組みを行っているが、ティーカテゴリでも今回は非常にエキサイティングな提案ができると思う」と挨拶。その後、同社ブランドマーケティング本部ティーカテゴリー統括部長の土合朋宏氏から、製品説明がなされた。

日本コカ・コーラ・ブランドマーケティング本部ティーカテゴリー統括部長の土合朋宏氏

「現在、緑茶の飲用動機は主に"リフレッシュ・食事系"と"リラックス系"に大別される。リフレッシュ系は食事をしながら飲んだり、食後に口の中をすっきりさせるために飲むお茶。ほっと一息つきたいといったようなリラックス系としては、急須で淹れるお茶が飲用され、既存のペットボトル緑茶ではそのニーズを満たしきれていない」と土合氏。

食品でもペットボトル飲料以外のカテゴリ、例えばビールやアイスクリームといった分野を見てみると、プレミアム市場が拡大しつつあるが、ペットボトルの緑茶市場においては価格の低下傾向があるという。そこで、"ワンランク上のプレミアム緑茶"というコンセプトを掲げ、京都の老舗茶舗・上林春松本店に声掛けをし、1年以上の時間をかけて誕生したのが綾鷹ブランドとのことだ。

「茶葉を販売する私たちはこれまで、ペットボトルの緑茶という存在は、急須で淹れるお茶の文化を衰えさせる恐れもあると考えてきました。しかし、ペットボトルで良質なお茶を販売することによって、お茶に馴染みのない世代にもお茶のよさを知ってもらうよい機会になると思い、開発に参加することになりました」と語るのは上林春松本店・代表取締役社長、上林秀敏氏。

左が日本コカ・コーラの代表取締役社長のダニエル・H・セイヤー氏。右は上林春松本店・代表取締役社長の上林秀敏氏

まず10月8日に発売となるのが「綾鷹 上煎茶」で、280ml、350ml、425mlの3サイズ展開。価格はそれぞれ130円、140円、158円と通常のペットボトル飲料より10円程度高めに設定されている。「従来は、お茶を何度もフィルターに通すことによってにごりを取り除き、クリアな水色のお茶にこだっていました。しかし私たちは、その"にごり"にこそお茶の旨みがあるのではと考え、ノンフィルター製法という新製法でにごりのある水色に仕上げました。それにより、ほんのりとした甘み、ふくよかな味わいを出すことができました」(土合氏)。

ターゲットは30代~50代の男性、販売チャネルはコンビニエンスストア、自動販売機としている。また、9月24日からは大規模なサンプリングを実施。同社Webサイトにて申し込むと、職場へ綾鷹 上煎茶を1ケースプレゼントされるといった内容になっている。