キヤノンから「EOS-1Ds Mark III」、「EOS 40D」、「PowerShot G9」「IXY DIGITAL 2000 IS」などのコンパクトデジタルカメラが一斉に発表された。発表会は一般誌やテレビなども取材に訪れ、大変な盛況だった。
ポイントはミドルクラス市場の充実
今回の発表の目玉は「EOS 40D」。もっとも多くの時間を割いて解説が行なわれた。キヤノンマーケティングジャパンの芦澤専務取締役は、「1980年、(フィルムの)一眼レフカメラ市場は過去最高の128万台を出荷しました。デジタル一眼レフカメラは価格低下や操作性の向上などを背景に、今年は100万台、2010年には過去最高の130万台超えが見こまれています」と予測。今後のデジタル一眼レフカメラ市場の活性化には、プロカメラマンと一般ユーザーの中間であるハイアマチュア層が今後の重要なユーザーになると語った。
キヤノンはミドルクラス市場拡大のために、EOS 40Dではクラス初の大型広告キャンペーンを展開する。EOS 40Dを"プロ写真家のサブ機"及び"アマチュア写真家の本命機"という以外に、"本格志向の団塊世代のエントリー機"としても位置づけている。キヤノンの調査によると、年代別購入意向で50代男性の66%が今後1年間以内にデジタル一眼レフカメラの購入を考え、定年退職後の趣味としては、「カメラ・写真撮影・画像のPC編集」が「旅行」に続き第2位の30%を占めているという。旅行とカメラは深い親密性があり、団塊の世代にはとくに注目するターゲットとのこと。
また、イメージキャラクターに起用された俳優の渡辺謙氏も会場に登場し、CM撮影の話や、CM撮影中に渡辺氏がEOS 40Dで撮影した写真を解説するシーンもあった。渡辺氏は以前からEOSユーザーであり、普段は家族の写真や映画の撮影の合間では風景を撮影しているという。明日からは家族で旅行へ行くので、EOS40Dも持っていきたいと話していた。
一眼レフカメラのサーポート体勢を拡充
キヤノンは3つのジャンルで、デジタルフォト文化の発展へ貢献していくという。デジタル一眼レフカメラ・デジタルコンパクトカメラ・交換レンズなどの"インプット"、プリンターなどの出力機器の"アウトプット"、"フォトカルチャー活動"の3本柱だ。
フォトカルチャー活動としては、東京、大阪、名古屋でプロの写真家を講師として開催される写真教室「EOS学園」を強化。講座数とカリキュラムを増やし、多くの人が受講できるように拡大する。また、1954年より続く「キヤノンフォトサークル」も、新たにウェブ会員制度を8月31日より導入し、コンテンツを充実して拡大するという。EOS 40Dの発売を記念して、EOS 40Dの購入者にはキヤノンフォトサークルウェブの3ヶ月無料体験キャンペーンも実施される。
最後の質疑応答では、「2007年度前半はニコンが(デジタル一眼レフの)シェア1位という結果だったが、キヤノンの今後のマーケティング展開は?」という質問が投げられた。キヤノンの真栄田取締役は、「キヤノンは競馬でいう"まくり"で追い上げます。EOSは2007年度後半(9-12月)シェアで50%以上、年間シェア43%以上を目標としており、どちらもNo.1を狙う」と宣言した。また、1位2位のメーカーが良いライバル関係を築いたからこそ、デジタル一眼レフカメラ市場がここまで成長したとも答えた。