米User Centricは、携帯電話・スマートフォンユーザーを対象に実施した、iPhone利用開始時のユーザビリティ調査レポートを発表した。iPhoneのソフトウェアキーボードを用いる文字入力に対し、厳しい評価も寄せられている。
同レポートは、QWERTYキーを搭載するスマートフォンユーザー10名、一般的なダイヤルキーを搭載する携帯電話ユーザー10名を選び、米国内で行われたモニター調査に基づくとされる。20名の調査対象者は、いずれも毎週15回以上は、自分の携帯電話・スマートフォンを用いてテキストメッセージを送信しているものの、iPhoneに触れるのは初めてだったという。
今回の調査では、まずしばらく自由にiPhoneを使ってもらった後、104~106文字で成るテキストメッセージを、普段使っている携帯電話・スマートフォンとiPhoneで入力してもらい、様々なテキストメッセージを繰り返し入力することで、iPhoneのソフトウェアキーボードの使用感などがテストされた。
調査結果によれば、自分が普段から用いている携帯電話・スマートフォンでの文字入力より、iPhoneのソフトウェアキーボードを用いた文字入力のほうが、入力スピードが上がったというユーザーはゼロ。
普段使っている端末との比較なので、そもそも当然の結果ではあるのだが、QWERTYキーを搭載するスマートフォンは、iPhoneより常に入力時間が半分以下となったようで、iPhoneのソフトウェアキーボードについて、キーを打ち込む感覚がないので入力しづらいとか、他のキーと押し間違えるといった不満が続出したという。
一方、ダイヤルキーを搭載する携帯電話ユーザーの場合は、少し慣れると、やや自分が通常使っている携帯電話の入力に近いスピードで、iPhoneの文字入力もこなせるようになる傾向が高かったとされている。しかしながら、入力ミスの数は、iPhone利用時に3~4倍まで増加したという。
同社のManaging DirectorであるGavin Lew氏は「iPhoneに乗り換えることを考えているならば、(現在利用中のデバイスとは)使用感が大きく異なってくることを覚えておかねばならない。iPhoneのタッチインタフェースは、あまり慣れないユーザーも多いため、テキスト入力のような一般的な利用スタイルで、もっと簡単に使い始められるように配慮が払われるべきである」とコメントしている。