富士通は9日、FOMA携帯電話新製品「らくらくホンIV」(F883iES)の報道関係者向け実演イベントを開催した。同製品は、熟年層をターゲットとし視認性・操作性など使いやすさを追求するユニバーサルデザイン端末。「はっきりボイス」や「音声入力乗り換え案内」などの実演、技術説明が行われた。
FOMAらくらくホンIVは、「しんせつ」「かんたん」「見やすい」「あんしん」にこだわったユニバーサルデザイン端末。2.6インチQVGA液晶は、従来機と比べ約1.2倍の輝度、約1.3倍のコントラストを実現し屋外でも見やすい半透過型オールラウンド液晶を採用。周囲の明るさを感知し、液晶画面の輝度を自動調整する光センサーをあわせて搭載し、屋内・屋外を問わず高い視認性を実現するという。デモンストレーションでは強い光源を当てた際の画面を確認できた。
らくらくホンシリーズ従来機の「はっきりボイス」機能を強化した「スーパーはっきりボイス」機能を搭載する。従来同様、周囲の音を広く拾う無指向性マイクとユーザーの声を強く拾う指向性マイクの2つのマイクを使用することで、2つのマイクから拾う音声信号の差から周囲の騒音をカットし、また周囲の騒音が大きい場合に音量を自動アップする。新機能では加えて、相手の声が小さい場合にも音量の自動アップが働く。さらに「はっきりマイク」機能を新搭載し、周囲の騒音が大きい場合には自分の音声も大きく伝える技術を採用したという。また、会話の早さを調節する「ゆっくりボイス」機能も引き続き搭載。会話のない無音の部分を検出する無音検出技術、音声をゆっくり再生しても会話のずれを抑える遅延制御技術、遅延した際に発する声の高さを保つ音声伸張技術により実現するという。
そのほか、GPSを活用した「地図ナビ」「らくらく乗換案内」など音声認識技術を取り入れたナビゲーション機能、カメラで撮影する画像に手ブレ・明るさ・ひずみの補正が自動的に行われる「おまかせ歪み補正」機能なども実際に試すことができた。
らくらくホンシリーズは、常にユ-ザーの要望を基点に開発され、機能の向上を図ってきたという。富士通モバイル事業本部長で経営執行役の佐相秀幸氏は、らくらくホンシリーズの販売台数は累計1千万台を超え、実稼働数も600万以上と発表し、ユーザー満足度も新機種ごとに向上していることを紹介した。