東芝コンシュマーマーケティングは、ドラム型洗濯乾燥機「TW-3000VE」「TW-2100VE」を発表した。発売は9月上旬を予定している。価格はオープンで、推定市場価格はTW-3000VEが31万円前後、TW-2100VEが28万円前後。なお、フロントのドアが左開きする通常のモデルとは別に右開きのモデルも用意されており、こちらは10月中旬発売。
一般的な洗濯乾燥機では、洗濯物の乾燥の際にヒーターを使用する。また、それによって、衣類から取り出された水分を含んだ湿った空気は、水で冷やされて、水分のみがが取り出され、排水と一緒に捨てられる。ヒートポンプ方式の洗濯乾燥機では、ヒーターの代わりに熱効率のよいヒートポンプを使用することで、乾燥時の消費電力を削減するとともに、乾燥時の湿った空気を冷やして水を取り出すのにも水ではなくヒートポンプが使用される。洗濯乾燥機の使用水量を見てみると、意外に乾燥時に使われる量が多いのだが、これがゼロになることで、大幅な節水も可能になるわけだ。
今回発表されたTW-3000VE/2100VEは、昨年7月に発売されたTW-2500VC/2000VCに続く、ヒートポンプドラムの第2弾となるモデルだ。新モデルでは、ヒートポンプの効率の向上と乾燥時の風量をアップすることにより、従来モデルからさらに省エネ性能が高められている(TW-3000VE/2100VEのフロントパネルには大型液晶パネルが搭載されており、そこに、今回使用した電気代/水道代の目安を表示するという機能も搭載されている)。
同社によると、毎日洗濯を行った場合、9年前のドラム式洗濯乾燥機に比べて、約4万1,000円ほど電気代/水道代が節約できるとのことだ。また、この改良により、洗濯にかかる時間も短縮されており、洗濯から乾燥までのコースで2時間というスピードを実現している。さらに、従来のヒートポンプ式では難しかった高温も発生可能になったため、乾燥時に除菌/消臭を行うことも可能となった。最近のドラム式洗濯乾燥機に多く取り入れられつつある、水を使わないで、衣類などの除菌/消臭を行う「ヒート除菌消臭」コースも搭載されている。
さて、もう1つの特徴となっているのが、「ハイブリッド乾燥」の搭載だ。ハイブリッド乾燥とは、乾燥時に単に高温をキープするのではなく、乾燥の仕上げ時などに外気を取り込んでドラム内の温度を下げることで、衣類の痛みやシワを防ぐというもの。昨年12月に発売されたTW-170VDで初めて採用された。ただし、TW-170VDはヒートポンプではなく、通常のヒーターを使用した洗濯乾燥機だったため、発売当初から、ハイブリッドでヒートポンプのモデルをという声は大きかったようだ。
TW-3000VE/2100VEでは、最新モデルということもあり、制振性能もアップしている。ドラムの前後に配置したセンサーによりドラムの振動を検知し、S-DDモーターを制御することで、洗濯時28dB、脱水時38dBという低騒音を実現した(現時点では、最終的な調整を行っている段階なので、乾燥時の騒音は確定していないが、これも、従来モデルに比べて低くなっているとのこと)。前述したハイブリッドドラムTW-170VDが、洗濯時29dB、脱水時38dB、乾燥時37dBだったので、この程度、あるいはそれよりも低い値になるのではないだろうか。
なお、今回発表された2モデルは、どちらも洗濯容量9kg、乾燥容量6kgと、基本性能に違いはない。ではどこが違うのかというと、冷暖房機能の搭載である。TW-3000VEでは、夏には、30°Cの室温を約15分で25°Cにまで下げる冷房/除湿運転、冬には、5°Cの室温を約30分で20°Cにまで上げる暖房運転が可能だ。これは直接洗濯に関係してくる機能というわけではないが、マンションなどでは、洗濯機を置くスペースが洗面所/脱衣所などに設けられているケースが多い。そして、そういったスペースは、室外機の問題などから、エアコンの設置が不可能な場合が多い。TW-3000VEを設置することで、これらのスペースを、快適な空間とすることも可能となる。