中国PC最大手のレノボグループ(聯想集団)はこのほど、2007年度第1四半期の財務レポートを発表した。売上高は前年同期比13%増の39億米ドル、個人向けPCの販売量でも同22%の増加率を達成し、市場平均の13%を大幅に上回った。売上高総利益率も、前年同期比でこそ14.9%から14.3%と微減したものの、税引き前利益が1億2,300万米ドルに上り、同258%増で大幅に改善した。

ただし、今年4月に世界規模での人員削減を行っており、そのための費用が約4,500万米ドルかかったことなどから、当該費用を入れての税引き前利益は7,800万米ドルにとどまった。また、一株当たり利益は0.78セントで、手元現金は13億米ドルとなっている。

レノボグループ取締役会議長の楊元慶氏は、今回の業績とIBMのPC部門買収による統合段階が終了したことを踏まえ、次のステップでは「本格的な攻勢に転じる」としている。また個人消費者向けPC市場のポテンシャルを再確認したとしており、既存の商用ビジネスの強化と同時に、さらに個人市場を深堀していくとの考えを示した。

また、同グループCEOのWilliam Amelio氏も、今回の好業績の原因の理由として、世界規模のリストラにより運営効率が上がったことや、個人向けPC市場の波に乗れたことを挙げている。

Amelio氏はさらに、グループの世界拠点ごとの経営状況が改善されている点に触れ、インドにおける営業拠点の開設やメキシコ、インド、中国、米国での生産・物流ネットワークの形成など、積極的投資を継続し、サプライチェーンの強化や、現地市場の足固めを急ぐとしている。

地域別では、稼ぎ頭のグレーターチャイナ(大中国区)市場が依然として成長の勢いを維持、15億米ドルの売上高を達成し、全売上高の39%を占めた。苦戦していた米州でも個人向けPCの好調により、売上高と販売量の双方とも前年同期比で2桁の成長を遂げた。ヨーロッパや中東、アフリカ地域でも合計7億5,500万米ドルの売上高を記録、なかでも個人向けPCの成長率が22%に上った。ドイツやフランス、イギリス市場での好調がこれらの地域全体の売上高増を牽引した。

グレーターチャイナ以外のアジア太平洋地域の売上高は4億9,600万米ドルで、全売上高の13%を占めている。今後アジア地域では、インドや東南アジアでの個人向けPCの市場開拓が大いに鍵を握りそうだ。

製品別ではノートPCが引き続き最大の売上高を誇り、前年同期比26%増の21億米ドルで、全売上高の53%を占めている。2番手はテスクトップPCで、売上高は17億米ドル、全売上高の43%を占めている。その他、中国市場では携帯端末販売も健闘、現在すでに4番手の市場シェアを握っており、売上高も1億 1,300万米ドルで全売上高の3%を占めている。

全体的に見ると、各製品ラインアップごとに市場において増加傾向を示している。IBMのPC部門買収後2年半の統合期を経た、レノボグループの「次の一手」を市場が注目している。