韓国Samsung電子は、2007年第2四半期のTFT液晶事業において、売上高が8四半期連続で業界1位を記録したと発表した。

8四半期連続で成長

Samsung電子によると、同社は第2四半期に10インチ以上の大型TFT液晶(ノートPC・モニター・テレビなど向け)の売り上げ実績で前期比25%増の約38億米ドルを達成したという。これは四半期別で見ても8期連続で成長している数値で、同時に業界1位の座も確保し続けている。また2007年上半期では68億米ドルを記録し、こちらも業界1位に立っている。

面積基準では283万平方メートルを出荷。業界シェアを22.5%とし、こちらも業界1位を誇るという。

こうした好調の理由についてSamsung電子では「競合他社と比べ、モニター用の24インチや、テレビ用の40および60インチなど、大型TFT液晶の販売比重が高かったため」と説明している。

Samsung電子の第2四半期の実績を見てみると、TFT液晶部門における大型パネルの販売量は前期比31%増となっており、これがTFT液晶部門の売り上げを前期比・前年同期比ともに17%ずつ増加させる要因となった。TFT液晶部門の営業利益にいたっては2,900億ウォンで、第1四半期比298%増、前年同期比290%増と大変な好調ぶりを見せている。

Samsung電子の2007年第2四半期の大型パネル販売量(単位:100万台)。第1四半期と比較すると31%増加している(同社2007年度第2四半期決算説明資料より)

大型パネルの売り上げが伸びていることのほかに、パネルの販売価格が「予想よりも上昇した」(Samsung電子)ことも手伝って、効率よく売り上げを増加させる結果が出た。

出荷量ではLG.Philipsが僅差で勝利

全世界的に見ても、TFT液晶パネルの出荷量は増加傾向だ。ディスプレイ専門のリサーチ会社である韓国のDisplaybankによると、2007年第2四半期の全世界における10インチ以上のTFT液晶大型パネルの出荷量は、第1四半期比22.6%増、前年同期比54%増の9,640万枚となっている。これと同時に売上額も第1四半期比26.4%増の163億米ドル以上となった。

液晶パネルの出荷動向(Displaybank調べ)

出荷量ではLG.Philips LCDが20.7%、Samsung電子が20.4%、AUOが20.3%となっているので、出荷量ではLG.Philips LCDより少ないSamsung電子が、売上高では勝っている形となる。

2007年の第3四半期の世界市場についてSamsung電子では「季節的な繁忙期に入るため、需要増加が継続する」と見込んでいる。同社としては、TFT液晶パネルの出荷量はノートPC用やテレビ用などの需要増加に伴い15%程度伸びると予想する。とくに第8世代ラインの量産を通じて、46インチや52インチなどの大型パネルの原価節減率が高くなり、さらに効率よく実績を上げられるとしている。

Samsung電子の2007年第2四半期の大型パネル販売量の展望(単位:100万台)。第2四半期より15%の増加見込み(同社2007年度第2四半期決算説明資料より)

出荷量の争いでは他社に1位の座を譲ったものの、大型パネルを効率良く販売し売り上げを伸ばし続けるSamsung電子。ただし先のDisplaybankの数値を見れば分かるように、トップの3企業が僅差の争いを繰り広げている状況なので、今後市場に変化が生じる可能性は十分考えられる。