米国時間の7月28日からネバダ州ラスベガスで、セキュリティカンファレンス「Black Hat USA」が開催されている。28日~29日のTrainingに続いて8月1日からBriefingsが始まった。オープニングの挨拶を行ったBlack Hat創設者のJeff Moss氏によると、今年は講演数、参加者ともに過去最多を記録。特に海外からの登録の伸びが著しく、全体の20%以上を占め、国別では50カ国以上に達したそうだ。
毎年、何かしらのトラブルに見舞われるBlack Hat USAだが、今年は海外からの参加者増に関連する問題が起きた。ドイツのセキュリティ研究者Thomas Dullien氏が米国への入国を拒否されたのだ。同氏はビザ免除プログラムで入国しようとしたが、入国審査の際にTarininngでの講演用の資料などが問題になり、就労ビザのH1-Bが必要と判断された。過去7年間、ビザ免除プログラムで米国に入国しBlack Hatで講義してきたというが、今回は同氏が個人ではなく、企業を代表して講演していると判断された模様だ。ハイレベルの専門家が集まるだけに、今後も同様のトラブルが起こる可能性は高い。
昨年のBack Hat BriefingsではMicrosoftがプラチナ・スポンサーとなり、1日中Windowsのセキュリティについて講演する枠が設けられて話題となった。今年のプラチナ・スポンサーはMicrosoftとCisco。またGoogleがシルバー・スポンサーとなっている。ただし昨年のようなスポンサー枠と指摘されるような講演はなくなった。理由は明らかにされていないが、Black Hat BriefingsとDEFCONは参加者アンケートの結果をすぐに反映させるので、昨年のMicrosoft枠が不評だったのかもしれない。
今年の講演トラックは初日が、音声サービス・セキュリティ、ネットワーク、カーネル、アプリケーション・セキュリティ、フォレンジックス、ゼロディ攻撃、プライバシーと匿名性など。2日目が、ハードウエア、リバースエンジニアリング、アプリケーション・セキュリティ、ファジング&テスティング、ゼロディ対策、ポリシー管理などとなっている。