パイオニアは、プラズマテレビの新シリーズ「KURO」を発表した。ラインナップは60V型フルハイビジョンモデルの「PDP-6010HD」、50V型フルハイビジョンモデルの「PDP-5010HD」、50V型ハイビジョンモデルの「PDP508HX」、42V型ハイビジョンモデルの「PDP-428HX」。また、同時にBDプレーヤー「BDP-LX80」、AVマルチチャンネルアンプ「VSA-LX70」、2wayスピーカーシステム「S-LX70-LR」、2wayセンタースピーカー「S-LX70C」、パワードサブウーファー「S-LX70W」、AVローボードラック「B-H800」、シアターシステム「HTP-LX70」「HTP-S717」「HTP-07B」も発表している。

プラズマテレビ “KURO” HOME THEATER SYSTEM I

圧倒的な黒の表現力で色彩も映える新パネル

今回発表された「KURO」シリーズの最大の特徴となっているのが、黒の表現力の高さ。実際問題として、現在のプラズマテレビでは、完全な黒は表現できていない(もちろんプラズマだけに限った話ではないが)。プラズマテレビでは、1つ1つのセルが自ら発光することで、映像を表示する。全く光を発していない状態が黒ということになるのだが、従来のプラズマパネルでは、安定して発光させるために、予備放電が行われていた。この予備放電でも、わずかながらセルが発光するため、完全な黒の表現は難しかった。

今回のモデルに使用されているパネルでは、セルの中に新たに電子発生装置を組み込むことで、この予備発光の必要を大幅に減らし、黒を、より鮮明に表現することが可能となっている。黒が、より純粋な黒に近づいたことで、コントラスト比は20000:1と非常に高くなった。また、このことは黒の表現だけにとどまらない。セルの前には、RGBの各カラーフィルターが設けられている。これらのセルがわずかに発光しているということは、純粋なR、G、Bといった色を表示させようとした場合でも、他の色がわずかに混ざってしまうことになる。それを排除したことにより、黒だけでなく、他の色も引き締まった表現が可能となっている。

昨年発売のPDP-407HX/527HXでも採用されていた、新ダイレクトカラーフィルターにより、暗い場所だけでなく、リビングなどの明るい場所でも鮮明な映像を表示可能なほか、1080/24pへの対応、デジタルアンプと専用に開発されたスピーカーなどによる高音質設計など、映像コンテンツの高い表現力を実現している。

「KURO」シリーズでサラウンドシステムを組むためのオプション製品

同時に発表されているサラウンドシステムについても軽く触れておく。60V型フルハイビジョンモデルPDP-6010と組み合わされる「プラズマテレビ"KURO" HOME THEATER SYSTEM I」と名付けられたシステムには、PDP-6010HDにBDプレーヤーBDP-LX80、AVマルチチャンネルアンプVSA-LX70、スピーカーシステムS-LX70LR、センタースピーカーS-LX70C、サブウーファーS-LX70Wなどで構成される。これらを収納するラックには、既発売の「B-7000」を使用する。

BDP-LX80は、1080/24p出力や、ドルビーTrueHDなどに対応したBDプレーヤー。HDMIコントロールにも対応しており、他の「KURO」システムとの連携も可能だ。VSA-LX70は、同社の次世代サウンドフォーマットに対応したAVマルチチャンネルアンプでは、現時点で最上位機種となるモデルで、ドルビーTrueHD/DTS-HDマスターオーディオなどにフル対応。また、「フルバンドフェイズコントロール」機能を世界で初めて搭載している。従来のモデルに搭載されていた「フェイズコントロール」が、おもに低域の位相のずれを補正するものだったのに対して、フルバンドフェイズコントロールでは、高域から低域までのスピーカー各ユニットの位相差を自動的に補正することが可能だ。スピーカーのS-LX70-LR/Cは、フラットテレビにマッチする薄型スピーカー。

PDP-5010HDと「プラズマテレビ"KURO" HOME THEATER SYSTEM II」

ハイビジョンモデル2機種と「プラズマテレビ"KURO" HOME THEATER SYSTEM III/IV」

50型フルハイビジョンモデルと組み合わせられるシステムが、「プラズマテレビ"KURO" HOME THEATER SYSTEM II」。構成は、PDP-5010HDに、BDプレーヤーBDP-LX80、5.1chサラウンドシステムTHP-LX70を組み合わせたものとなっている。これらを収納するラックは、新発売のB-H800。HTP-LX70は、フロントサラウンドアドバンス機能を採用した、リアスピーカーを必要としないシステム。変わった形状のサテライトスピーカーが採用されているが、これは、12面体スピーカーのように点音源を追求するためのスタイル。

50V型ハイビジョンモデルと組み合わされるのが「プラズマテレビ"KURO" HOME THEATER SYSTEM III」。ラックインシアターの構成を取るシステムだ。PDP-508HXに、既発売のBDプレーヤー「BDP-LX70」を組み合わせ、ラックには既発売の「B-07」を使用する。ここに今回発表されたB-07用のオプションとなる、ワイヤレスリアスピーカーを採用するシアターシステムTHP-07Bを組み合わせる。

42V型ハイビジョンモデルと組み合わされるのが「プラズマテレビ"KURO" HOME THEATER SYSTEM IV」。PDP-428HXとBDP-LX70、HTP-S717という構成。HTP-S717は、「Smart theater」シリーズの5.1chシステムで、フロントにはトールボーイ型スピーカー、リアにはワイヤレススピーカーを使用する。

商品名 型番 希望小売価格 発売時期
プラズマテレビ “KURO” HOME THEATER SYSTEM I
60V型 地上・BS・110度CSデジタル
フルハイビジョン プラズマテレビ
PDP-6010HD 990,000円 10月上旬
ブルーレイディスクプレーヤー BDP-LX80 210,000円 10月下旬
AVマルチチャンネルアンプ VSA-LX70 235,000円 10月上旬
2ウェイスピーカーシステム S-LX70-LR 240,000円 10月下旬
2ウェイセンタースピーカーシステム S-LX70C 125,000円 10月下旬
パワードサブウーファー S-LX70W 200,000円 10月下旬
AVローボードラック B-7000 248,000円 既発売
プラズマテレビ “KURO” HOME THEATER SYSTEM II
50V型 地上・BS・110度CSデジタル
フルハイビジョン プラズマテレビ
PDP-5010HD 720,000円 10月上旬
ブルーレイディスクプレーヤー BDP-LX80 210,000円 10月下旬
5.1chサラウンド・システム HTP-LX70 261,000円 10月上旬
AVローボードラック B-H800 180,000円 10月上旬
プラズマテレビ “KURO” HOME THEATER SYSTEM III
50V型 地上・BS・110度CSデジタル
ハイビジョン プラズマテレビ
PDP-508HX 560,000円 9月上旬
ブルーレイディスクプレーヤー BDP-LX70 170,000円 既発売
スピーカーラックシステム B-07 118,000円 既発売
ホームシアターシステム
(「B-07」専用オプション)
HTP-07B 65,000円 9月上旬
プラズマテレビ “KURO” HOME THEATER SYSTEM IV
42V型 地上・BS・110度CSデジタル
ハイビジョン プラズマテレビ
PDP-428HX 450,000円 9月上旬
ブルーレイディスクプレーヤー BDP-LX70 170,000円 既発売
5.1chサラウンド・システム
「Smart theater 717」
HTP-S717 94,000円 9月上旬
PDP-428HX専用フロアスタンド OT-H427 65,000円 既発売