NECは2日、気象庁が提供する緊急地震速報に対応した表示ソフト「震前大使(しんぜんたいし)」の販売を開始した。緊急地震速報をもとに、地震の震度や到達時間を表示することができる。価格はサーバー用ソフトが90万円、クライアント用ソフトが1台当たり2万円。今後3年間で200システムの販売を見込んでいる。

震前大使は、緊急地震速報で提供される震源地、震度、規模(マグニチュード)をサーバーで再計算し、最大128個所に設置したクライアントに対して、「A地点には20秒後に震度5弱の地震が発生する」といった予測震度や地震の到達時間などの情報を再配信することができる。

地震の到達時間や予測震度などを表示。予測情報は設定地別に計算して配信される

既存システムとの連携プログラムも提供が予定されており、学校や病院などの館内放送システムと連携して注意勧告を行うといった危険回避での利用も考えられている。また、サーバーから接点信号を発することができるため、パトランプやブザー、エレベータなどの接点入力を有する機器も制御できる。これによって、地震が来る前にエレベータを自動停止することも可能になる。

緊急地震速報は地震災害の軽減を目的として、地震発生時の小さな初期微動(P波)を解析し、震源や地震の規模を推定、通知する技術。すでにガス、電力、鉄道事業者などに先行して提供されていたが、10月1日からは放送局や集客施設などを通じた民間への提供が予定されている。