ダニエル・オーシャン率いるクールな犯罪者集団"オーシャンズ"の活躍を描くシリーズ最新作『オーシャンズ13』が8月10日より公開される。これに先駆け、主演のジョージ・クルーニーと、プロデューサーを務めたジェリー・ワイントローブが来日、31日に都内で記者会見を行った。
『オーシャンズ13』のテーマは復讐。仲間を陥れたカジノのオーナーを財政的にも、そして社会的にも"ツブす"ことがオーシャンズの目的だ。因縁の地・ラスベガスを舞台に、大切な仲間のために練られた、壮大かつ無謀ともいえる犯罪計画の幕が今まさに上がろうとしている。
4年半ぶりの来日となるジョージ・クルーニーの「こんにちは、僕がブラッド・ピットだよ。ちょっと老けてるけどね」という軽いジョークで会見はスタート。ちなみに本物のブラッド・ピットは子供と一緒にいるから、マット・デイモンは他の仕事で忙しいために来られなかったそうだ。
印象的なセリフやシーン、また、楽しんでもらいたいポイントを尋ねられると、クルーニーは「やっぱりマットが女性を口説くところだね。あとは、僕とブラッドが『ブロークバック・マウンテン』(※)ばりのラブシーンを演じているところかな。そこはカットになっちゃったんだけどね。残念ながら」と冗談とも本気ともつかぬ返答。爆笑の中、水を向けられた形のワイントローブは「ストーリー全体に注意を払ってほしいね。今回、アル・パチーノが出演するっていうすごくエキサイティングな要素が加わっているんだけど、彼の演技が素晴らしいんだ。もちろん、笑ってもらえる部分、コメディもたくさんある。見どころは尽きないよ」と真っ当に作品をアピールした。
※『ブロークバック・マウンテン』――2005年に制作された米映画。イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)という2人の男性が惹かれ合い、周囲の偏見に苦しみながらも愛を成就させる姿を描いている
アル・パチーノは今作でオーシャンズの標的となる冷酷なカジノのオーナー、ウィリー・バンクを演じている。その大御所までもクルーニーは「彼は僕からずいぶん演技について学んだんじゃないかな。かなり教えたからね(笑)。まあ、それは冗談として、偉大な俳優だから脅威は感じるけど、すごく仕事はしやすかったよ」といじり倒す。
2001年に公開された第1弾『オーシャンズ11』から3作に渡りオーシャンを演じてきたクルーニー。やはりオーシャンに対する思い入れも相当にあるのでは。「演じてよかったこと……? お金持ちになったってことかな(笑)。ウソウソ。これだけ気のおけない仲間が集まって映画を撮れる、っていうのがすごいよね。演じていて楽しいし。1人が主役じゃなくて、みんなで見どころをシェアする、そういう肩の力が抜けた感じがいいんだ。思い入れはあるよ。ダニーになる練習は25年間もしてきたからね。一生懸命酒を飲んで、ギャンブルもがんばって(笑)」。
今作ではかなり日本がフィーチャーされており、元横綱の曙太郎が力士役で出演しているとか。「オリエンタル要素がたくさん組み込まれているから、日本のみなさんにはそこを楽しんでいただきたいね。そして友情。仲間みんなで何かをしたい、達成したい、そんな気持ちをこの『オーシャンズ13』から汲み取ってほしい」というワイントローブの言葉で会見は締めくくられた。
『オーシャンズ13』は8月10日、丸の内ピカデリー1ほかにて全国ロードショー予定。配給はワーナー・ブラザース。
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写真:石井健