富士フイルムは、同社初となる手ブレ補正機能を搭載したデジタルコンパクトカメラ3機種発表した。これは同社の2007年秋モデルにあたる。「スーパーCCDハニカムVII HR」を搭載した1200万画素のフラッグシップ機「FinePix F50fd」のシルバーを8月下旬に、ブラックを9月下旬に発売する。また、光学式5倍ズームの薄型スタイリッシュコンパクト機「FinePix Z100fd」はボディカラーを4色用意し、9月下旬に発売。広角27mmからの光学18倍ズームレンズを搭載し、秒15コマを実現した「FinePix S8000fd」はブラックのみで9月上旬に発売する。推定価格は速報でお伝えしたとおり。

ついに手ブレ補正を搭載したFinePix

従来富士フイルムのFinePixシリーズは高感度によって手ブレを防いできた。高感度による速いシャッター速度であれば、手ブレだけでなく被写体ブレまで防ぐことが可能になる。しかし市場の声が無視できなくなり、今回発表されたモデルではCCDシフト式の光学手ブレ補正機構を搭載した。シャッタースピードで2~3段分の補正効果があり、高感度撮影と併用することで、より効果的にブレを防ぐとしている。撮像感度については、「F50fd」と「S8000fd」が最高ISO6400、「Z100fd」が最高ISO1600まで可能になっている。

2006年9月に登場した顔検出機能「顔キレイナビ」は高い評価を得ているが、新しく「スーパーCCDハニカムVII HR」を搭載した「F50fd」ではこれをさらに高精度化。検出が難しいとされる横顔や斜め顔も検出可能となり、検出速度も最短0.05秒を実現した。また、顔検出技術を応用した「美肌モード」を搭載。顔に合わせてピントや露出だけでなく、ホワイトバランスも設定する。「Z100fd」と「S8000fd」は従来と同タイプの「顔キレイナビ」を搭載する。全てのモデルで最大検出人数は10人。新たに「赤目補正機能」と、1度に100枚の画像を表示する「マイクロサムネイル機能」を搭載した。

発表会で挨拶を行なう富士フイルムイメージング株式会社 社長 杉原和郎氏

イメージキャラクターを務める「蛯ちゃん」こと蛯原友里さんもメッセージビデオで登場

FinePix F50fdのカラーバリエーション。シルバーとブラックの2色

FinePix Z100fdのカラーバリエーション。左から、シルバー、ピンク、ブラウン、ホワイト&ブラックの4色

光学18倍ズームレンズを搭載したFinePix S8000fd。カラーはブラックのみ

F50fdの「顔キレイナビ」では、横顔を左右90°、斜めでは270°まで検出する

一画面で100枚の画像が表示可能な「マイクロサムネイル機能」

スタンダードなボディに高性能を搭載した「F50fd」

「F50fd」は「スーパーCCDハニカムVII HR」を搭載したFinePixコンパクト機のフラッグシップにあたる。有効画素数は1200万画素となった。レンズは焦点距離8~24mm(35mm判換算:35~105mm)の光学3倍ズーム。最高感度はISO6400で、独自の画像処理エンジン「リアルフォトエンジンII」によりノイズを低減する。新たに最速5コマ/秒、連続12枚撮影可能な「高速連写モード」を搭載(最大記録画素数300万画素まで)。液晶モニターは23万画素の2.7型を採用した。

記録メディアはxDピクチャーカード/SD・SDHCメモリーカードの両方が使えるだけでなく、内蔵メモリーとして25MBを搭載している。フル充電での撮影可能枚数は約230枚(CIPA規格)。ボディはアルミ素材を採用した。サイズは92.5(W)×59.2(H)×22.9(D)mm、重量は155g(本体のみ)。

メインモデルともいえる「FinePix F50fd」。ボディカラーはシルバーとブラック

F50fdの背面。顔認識機能や高速連写モードはボタン1つで切り替えられる

メモリーカードにはxDとSDの両方が使用できる

フルオートで誰でもキレイな写真が撮れる」をコンセプトにしている

女性ユーザーをターゲットにした「Z100fd」

FinePixシリーズのなかでもスタイルを重視したZシリーズ。一般に女性ユーザーは3割程度だが、Zシリーズは約半数が女性ユーザーだという。「Z100fd」は、光学ズーム倍率を従来の3倍から5倍に強化しながら、薄さ19.8mmを実現。ポケットにも収納しやすいようフラットデザインのレンズカバーを採用する。斜めに可動するレンズカバーはデザイン的にもユニーク。ボディとレンズカバーを2トーンカラーにした4色のボディカラーが用意されている。

タッチホイールを採用し、背面のボタン類は非常にシンプルにまとまっている。ジャンルに分けて保存が可能な「フォルダ機能」を搭載し、利便性を高めている。有効画素数は800万画素。焦点距離は5.9~29.5mm(35mm判換算:36~180mm)。Zシリーズでは初めてのxDピクチャーカード/SD・SDHCメモリーカードに対応するデュアルスロットを搭載。内蔵メモリーは54MB。モニターは23万画素の2.7型液晶を採用した。フル充電での撮影可能枚数は約150枚(CIPA規格)。サイズは92(W)×55.7(H)×19.8(D)mm。重量は138g(本体のみ)。

女性や若年層をターゲットにした「Z100fd」にはこういったイメージカットが用意された

タッチホイールを搭載し、シンプルなボタン配置の背面

「Z100fd」の底面。Zシリーズとしては初めてSD・SDHCカードが使用できる

タッチホイール、フォルダ分け保存、マイクロサムネイルなどを採用

18倍ズームを搭載した本格的なデジタルカメラ「S8000fd」

「S8000fd」は、本格的な撮影が可能なレンズ一体型デジタルカメラ。しっかりしたグリップをもち、マニュアル撮影も可能である。広角27mmから望遠486mm(35mm判換算)の光学18倍ズームレンズを搭載。もちろん手ブレ補正も装備する。有効画素数は800万画素。最速15コマ/秒、連続15コマなで撮影が可能な「高速連写モード」を新たに搭載した(最大記録画素数200万画素まで)。撮像感度はISO 6400まで上げられるが、この場合は画素数が400万画素に限定される。フル画素ではISO 1600まで。

記録メディアは内蔵メモリーを58MB搭載し、xDピクチャーカード/SD・SDHCメモリーカードに対応する。液晶モニターは23万画素2.5型。電源は単三形電池を採用し、撮影可能枚数はアルカリ乾電池で約350枚(CIPA規格)、ニッケル水素乾電池で約500枚(CIPA規格)となっている。サイズは111.3(W)×78.2(H)×79.3(D)mm。重量は410g(本体のみ)。

S8000fdの上面。筒にグリップが付いたような独特のスタイル

大きめの十字ボタン、各種の操作ボタンを装備

バッテリーは単三形乾電池が使用できる

S8000fdの機能図。広角27mmからの18倍ズームで幅広いシーンをカバーする