タイトルにもあるように舞台は夏休み。まさに夏休みにぴったりの1本。7月28日よりシネ・リーブル池袋ほかで全国ロードショー

7月28日よりアニメ映画『河童のクゥと夏休み』が全国ロードショーされる。原作は児童作家の木暮正夫氏が書かれた『かっぱ大さわぎ』と『かっぱびっくり旅』。公開の10年近く前から映像化の企画はスタートし、プロットや美術など、準備に多くの時間を費やした。完成半ばでの木暮氏の死去を乗り越えての公開となる。

監督は『クレヨンしんちゃん』シリーズの映画を手掛け、そのなかでも『嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』で高い評価を獲得し、子供だけでなく大人も楽しめる作品を送り出してきた原恵一氏。

主人公の康一役を横川貴大、河童のクゥ役を冨澤風斗が演じる。それぞれ役年齢に近いキャスティングがなされ、子供らしさを生かした演技を見せている。父親役はココリコの田中直樹、母親役を女優の西田尚美が務めた。またクゥの父親役をタレントのなぎら健壱、沖縄に住む妖怪キジムナー役をガレッジセールのゴリが演じるなど、バラエティー豊かなキャスト陣となっている。

公開前には「かっぱ寺」の名で親しまれている東京・台東区の曹源寺でヒット祈願が行われた。左から原恵一監督、横川貴大、ガレッジセール・ゴリ、冨澤風斗、ココリコ・田中直樹、主題歌を歌う大山百合香

<ストーリー>
小学生・康一が下校途中に拾った石を持ち帰り、水で洗うと石のなかから出てきたのは、なんとカッパの子供。何百年も地中に閉じ込められ、人間と同じ言葉を話すカッパを康一たち家族は「クゥ」と名付け、家族の一員として次第に受け入れていく。しかし、ある日クゥが写真に撮られてしまう……。

一家に突如やってきた河童のクゥをとおして、家族のあり方というものを強く意識させられる作品で、親子連れで笑ったり泣いたりするには絶好の映画となっている。また、決して説教臭いわけではないが、環境問題やいじめ問題、マスコミの過熱報道といった現代的なテーマも盛り込まれており、笑いや感動に厚みを持たせているのも見逃せないポイントだ。

仲間を探しに、河童伝説の残る遠野へ旅に出る康一とクゥ。クゥには外界の見るものすべてが新鮮に映る

暑い夏を思わせる青い空と濃い緑。田園風景など、背景には日本の夏が描き込まれた

人間以外の生き物として、クゥのよき理解者となる愛犬のオッサン

注目したいのが水の表現。水の音や水面に映る光の反射が鮮やかに表現され、つねに水の存在を意識させられる

(C)2007 木暮正夫/「河童のクゥと夏休み」製作委員会