中国通信標準化協会(China Communications Standards Association、以下「CCSA」と略)はこのほど、業界内の専門家を集めて進めていた、携帯テレビ電話サービス関連技術要求(YD/T 1511-2007)と、テスティング方法(YD/T 1512-2007)に関する標準化研究プロジェクトが完成したと発表した。携帯テレビ電話サービス関連設備の開発、生産、テスティング、購買および運営に重要な技術的根拠を提供するものとして注目されている。
同標準の誕生により、WCDMA/TD-SCDMAネットワークを利用し、モバイル端末で相手が見える、いわゆるテレビ通話を実現することだけでなく、モバイル端末利用者間で音声・AVの即時通信の実現を目指す。現段階ではモバイル端末間に限って提供されているサービスだが、将来は、モバイル端末とPSTN、ISDNなど、各種ネットワークとの間でも音声・AVの即時通信ができるよう徐々に応用範囲を拡大していく計画だ。
今回明らかにされたシリーズ標準ではWCDMA/TD-SCDMA回線における携帯テレビ通話サービスの全体的特徴、機能および通信プロトコルの構造、媒体コード、業務フロー、認証、費用決済、サービス品質、端末設備スペックなどを規定した。
3G時代のコアサービスともされる携帯テレビ電話が、着実に、中国のキャリアの注目を集めつつある。キャリアにとっては、これを応用することで、テレビ電話会議、保険関連での現場確認、遠隔医療、安全監視システム、VODなどの新サービスを考えることができる。
業界関係者によれば、いまのところ中国聯通1社だけがCDMA 1xネットワークで携帯テレビ電話をサポートするサービス「宝視通」を運営しており、他の通信キャリアはまだこの業務を開始していない。携帯テレビ電話関連サービス業務は、中国ではまだスタートしたばかりだが、普及率の拡大に伴い、ビジネス規模の伸びが期待できる分野と言えそうだ。