バイラル・マーケティング:Intel

2006年10月12日から3日間、IntelはCentrino Duo Processorのプロモーションの一環として、非常にユニークなイベントを行いました。それは、1人の女性SLクリエイターをニューヨーク5番街の一角にある電気店の店先に設けたガラス張りの部屋にこもらせ、72時間ぶっ続けでSLのコンテンツの制作を行わせるというものでした。

クリエイターがその部屋に持ち込んだのは、1台のCentrino搭載ノートPCだけ。それ以外にはインターネット接続環境だけで、あとはひたすらそのPCを使って作業を行いました。食べ物さえもそのパソコンからインターネット経由で出前を取ったそうです。(Centrino搭載)PCの万能ぶりを示すのが目的でした。

交差点に浮かぶCentrino Duoのロゴ

制作したものは、まさに彼女がいた場所、ニューヨーク5番街のリアルな街並みです。テクスチャはあらかじめ用意してあったようですが、3Dオブジェクトはゼロで、何もない状態のまっさらな土地から制作は始まりました。そして、リアルとバーチャルの両方で、通りかかる人たちに見つめられ、応援を受けながら彼女は制作を続けたのです。

SL内で作られたその街は現在、Live Without BoundariesというSIMで見ることができます。72時間という短期間で作られたためさすがに面積は狭いですが、今見ても面白いSIMです。ニューヨークに実際行ったことある方はより楽しく見れることでしょう。

このイベントの特徴は現実世界とSL以外にも多くのメディアを活用したことです。Intelが用意したWebサイトではリアルとSL両方の状況を映したライブ動画配信が行われ、Flickrでは順々に画像がアップロードされ、各所のBlogで取り上げられ、1日ごとにYouTubeに動画がアップロードされました。

SLをリアルとバーチャルというくくりで考えるより、SLはあくまで多くのメディアの1つであるという捉えかたのほうがより実用的ではないかと思わせる1つの例です。