Second Lifeのいま
800万人超という登録者ベースの人口ばかりがクローズアップされがちなSLですが、もう少し冷静に、実質的にSL内で行われている活動はどのくらいの規模なのかを、公式ホームページの経済統計のページや、2007年5月に発表された公式統計「Key Metrics」から読み解いてみます。
アクティブユーザーとは、最近1カ月間に1時間以上ログインしたアバター、と定義されています。2007年7月15日現在、SLの登録者総数は800万人を超えていますが、実際の活動はログインしないと行えません。アクティブユーザーベースでのSLの現在はどのようなものでしょうか。
アクティブユーザー合計:507,844人
この数値が実質的な利用者数と考えられます。日本は約18,000人です。
プレミアムアカウントユーザー数:89,845人
1カ月あたり9.95US$を支払っているユーザーがプレミアムアカウントです。
土地の広さ:651.39平方キロメートル
1SIM(セカンドライフ上の土地の単位)が0.065平方キロメートルなので、約10,021個のSIMがSL上に存在することになります。東京都が約2100平方キロメートルなので、東京都の約3分の1の広さです。
住人によるリンデンドルの保有総額:28億3151万7265
日本円にして約11億円の通貨が住人によって保有されています。
国別利用者比率
1位 アメリカ合衆国 25.6% 2位 ドイツ 11.74% 3位 フランス 7.8% … 9位 日本 3.7%
日本は9位につけています。790万人という登録者ベースで考えると、現在の日本人ユーザー数は約29万人となります。
年齢別利用者比率
18歳~24歳 27% 25歳~34歳 38% 35歳~44歳 21% 45歳以上 12% その他、不明 1%
20代後半から30代前半が最も多いです。これは10代後半から20代前半が中心のオンラインゲームと比較すると差が顕著で、SLはユーザーの年齢層が比較的高いことが分かります。
男女比:男性57%、女性43%
当初は男性のほうがかなり多かったものの、ここ数カ月はかなり女性の比率が上がってきました。
「SLを積極的に利用している人の数」でみるとまだまだ少ないことが分かります。ただ、これらの数字だけでSLの規模や影響力の大小を測るのは少々不適切です。SLは今や自身がコンテンツとして多くのメディアに取り上げられ、利用される存在になっています。SLを利用して作られた動画がYouTubeに大量にアップされているというのはその一例です。ユーザーはSLにログインしていなくても、その動画を見ることでSL内のコンテンツを見ているのと近い意味があります。例えば、バンドのU2がSLで行ったコンサートの動画は80万人に視聴されています。また、テレビ番組にSLがコンテンツとして利用される例も増えています。このようにSLの利用はオンラインユーザー以外によってもなされるため、全メディアの中でのSLのポジションと価値を考慮に入れていく必要があります。
ケーススタディ
それではいくつかの事例を紹介します。SLのビジネス利用はまだ始まったばかりで、どの企業もビジネスプランを模索している段階にありますが、これまで他の媒体では決してできなかったようなSLならではの事例を中心に紹介していきます。