22日0時、インテル「Core 2」シリーズの新製品が販売開始となった。秋葉原電気街のパーツショップでは前年夏の「Core 2 Duo」発売時に続く深夜販売を実施し、TSUKUMO eX.ではインテルの天野伸彦氏らを迎えての記念イベントがあわせて開催された。
深夜0時からの発売にもかかわらず行列のできたTSUKUMO eX.前 |
この日発売されたのは、Core 2シリーズ初の3GHz動作となるクアッドコアCPU「Core 2 Extreme QX6850」および同デュアルコアの「Core 2 Duo E6850」をはじめ、「Core 2 Quad Q6700」(クアッドコア・2.66GHz)、「Core 2 Duo E6750」(デュアルコア・2.66GHz)、「Core 2 Duo E6550」(デュアルコア・2.33GHz)の全5製品。Q6700以外はFSBが1333MHzに高速化されているのが特徴。
また、Core 2 Quad Q6700の登場にともなって、従来6万円台後半から7万円前後で販売されていた既発売製品の同「Q6600」(クアッドコア・2.40GHz)が、3万円台後半へと大幅値下げされており、クアッドコアCPUが手の届きやすい価格帯へと一気に降りてきた。新製品のラインナップと、TSUKUMO eX.での深夜販売価格は以下の通り。
モデル | コア | クロック | FSB | TSUKUMO eX.価格 |
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Core 2 Extreme QX6850 | 4 | 3.0GHz | 1333MHz | 137,980円 |
Core 2 Quad Q6700 | 4 | 2.66GHz | 1066MHz | 73,680円 |
Core 2 Quad Q6600(既発売) | 4 | 2.40GHz | 1066MHz | 37,980円(値下げ) |
Core 2 Duo E6850 | 2 | 3.0GHz | 1333MHz | 36,680円 |
Core 2 Duo E6750 | 2 | 2.66GHz | 1333MHz | 25,780円 |
Core 2 Duo E6550 | 2 | 2.33GHz | 1333MHz | 23,580円 |
TSUKUMO eX.では前日21日の22時30分から「ミッドナイト Core 2 フェスタ」と題した発売記念イベントを実施。深夜販売は1月のWindows Vista発売時に続くもので、CPUの発売としては昨年8月のCore 2 Duo発売以来になる。
店頭の特設ステージには、レースクイーンの鈴木礼央奈さん、森川ゆいさんが「ツクモ Core 2 ガールズ」として登場。ふたりともレースクイーンとしての活動をブログで日々紹介しており、普段からPCはよく使っているという。「自分のPCがこわれちゃって、いまマンガ喫茶とかでブログを更新してるんです。新しいPCがほしいな」(鈴木さん)、「いまはノートPCを使っているんですけど、大きなデスクトップもほしいですね」(森川さん)と話し、新製品にも興味津々の様子だった。
続いてステージには、秋葉原のイベントでは「インテルの"神様"」の通称で呼ばれる同社の天野伸彦氏、「改造バカ」企画で知られるPCライターの高橋敏也氏が登場し、新製品のポイントを解説した。今回の目玉は、FSBが1333MHzとなったことでP35/G33チップセット搭載マザーボードの真価を発揮できるようになったこと、CoreマイクロアーキテクチャのCPUとして初めて動作周波数3GHzの大台に乗せてきたこと、そしてQ6600の値下げによってクアッドコアの値打ち感が一気に高まったことだ。高橋氏は「これまでデュアルコアで十分だと思っていた人も、クアッドコアが4万円を切ってくるとクラっと来ると思う」、天野氏も「1コアあたりではもう1万円を切っている。Core 2 Duo E6600を2個詰めちゃってこの値段」と話し、Q6600のインパクトは相当大きなものになるとの見方を示す。
高橋敏也氏(左)と天野伸彦氏のトークセッション。高橋氏が思わず「FSBが"133"になって……」と"1333"を言い間違えると、天野氏が「FSBが133MHzになったと言っていたのもそんなに昔のことじゃないですね」と答え、昔話に突入する場面も |
天野氏による解説。そのほか、公式な仕様には表されていないが、新製品では発熱もずいぶん小さくなっているという。「その分オーバークロックしたくなりますね。ペルチェ3枚重ねでCPU温度は1℃が基本です。みなさん結露には気をつけて」と、高橋氏はジョーク(?)で合いの手 |
また天野氏は「Coreマイクロアーキテクチャは動作周波数が上がりにくい。周波数と価格のバランスから考えると今回のモデルチェンジは買い時だと思う」と話し、現在Pentiumシリーズを使用していてそろそろ次のCPUを、と考えているユーザーは、このタイミングでCore 2に移行すれば間違いはないと太鼓判を押した。インテルからは代表取締役共同社長の吉田和正氏もビデオメッセージを寄せ、新製品は「さらなるパフォーマンスを求めるユーザーに満足していただけるプロセッサ」であるとアピールした。
ビデオメッセージを寄せるインテル吉田社長。「今日は都合がつかなかったが、できる限りアキバにも足を運んで皆さんと接点を作りたい」と話す |
カウントダウン用に配られたクラッカーを口に入れようとする天野氏。この後「クラッカーを人に向けてはいけません」と司会者からたしなめられる |
イベントの最後には九十九電機代表取締役の鈴木淳一氏が登壇し、「ご存じの通り、Core 2 Duoは昨年のPC-DIY業界を大きく動かした。今回の新モデルも間違いなく時代を動かす商品になる」とあいさつ。そして22日0時の10秒前からカウントダウンが行われ、日付が変わるとCore 2新製品の引き渡しが開始された。
九十九電機の鈴木社長が加わりカウントダウン。来場客にもクラッカーが配られ、盛大に行われた |
発売後の記念撮影。パッケージは飾り用でなく中身の入った本物である |
この日はTWOTOP秋葉原本店、ドスパラ秋葉原本店、フェイスアキバ店でも深夜販売を実施。入荷量の少ないQX6850、値下げ幅の大きかったQ6600は早くも売り切れの店舗が出始めていた。