米Advanced Micro Devices(AMD)は7月19日(現地時間)、2007年第2四半期(4-6月期)決算を発表した。売上高は13億7800万ドルで前年同期比13%の増加だったが、最終損益は6億ドルの赤字となった。なお、今期決算には加ATI Technologies買収と合併に関する諸経費約2億ドルが含まれている。プロセッサ販売の好調に引っ張られ同年第1四半期より利益率が改善したものの、前年同期比では利益率下落が目立つ。ライバルのIntel同様に、平均販売価格(ASP)の低下が業績を直撃している様子がうかがえる。

プロセッサ事業の今期の売上は10億9800万ドルで、第1四半期から約20%上昇した。それを牽引したのがプロセッサの出荷数の大幅な増加で、前期より38%のアップだった。ただしデスクトップPC向けプロセッサを中心に販売数を押し上げたASPの下落が、利益率を引き下げる一因にもなっている。第2四半期のグロスマージンは33%と第1四半期の28%よりは改善が見られるものの、前年同期の57%に比べると低い水準で推移している。またAMDによれば、在庫処分の経費3000万ドルが今期のグロスマージンに影響を与えたという。

分野別でみると、主力のプロセッサ事業はモバイル向けプロセッサが好調だ。出荷数ベースで前期から21%、前年同期比で82%の上昇となっている。またデスクトップ、モバイル、サーバの全セグメントにおいて売上が増加した。グラフィック事業は1億9500万ドルの売上とほぼ横ばいで、リリースされたばかりのATI Radeon HD 2000が好調な推移を見せている。コンシューマエレクトロニクス事業は8500万ドルと前期比で28%の下落となっており、デジタルTV向けプロセッサが好調な一方で、携帯機器向け製品の販売低下が業績を押し下げている。

売上上昇も利益につながらない状態が続くAMDの業績だが、同社によれば第3四半期は新学期等で売上が上昇する時期であり、収益の改善が期待できるという。またASP下落の影響を大きく受けていたサーバ向けプロセッサの分野に来期投入される見込みのクァッドコアOpteronの "Barcelona"が、同社にとって追い風になるとみられる。