--いまや、ネットを基盤としたメディアや広告を論ずるうえで、CGM (Consumer Generated Media)は看過できない要素となってきた

「CGMも強化すべき領域だ。広告ビジネスに対してさまざまなメリットがある。CGMは、ユーザーがコンテンツをつくり、広告を配信可能なページを構築できる。また、ターゲティングもしやすく、投資対効果がよい」

--CGMのなかでは、何が有力なのか

「SNSやブログは、未だマスにまでは達していない。まだ使ったことのない人々を招きいれ、第二波というような位置づけで、もう少し成長が期待できる。SNSが伸びていけば、ユーザー間のマッチングや出会いなどを、ユーザー側は求めてくる。ここでサーチの技術を発揮できる。SNSは、参加者が増えると最適なコンテンツを探しづらくなるが、これはマッチングなどで技術的に解決できる。SNSは、Web2.0の流れのなかでサーチ機能を付加すると、いっそう広がりが出てくる」

--SNSはネットビジネスのなかで最も優位にあるものか

「SNSだけではなく、方向性がはっきりしているメディアであれば十分だ。たとえば、年齢層、可処分所得が一定の範囲をターゲットにするサイトとか、それらの条件に当てはまれば、その人たちはアクセスしてくる。そちらの方が、ブランディング、ターゲティングの観点からは重要だ。逆に、すでにリーチのあるところはすごく危険かもしれない。すべての人々をターゲットにしているなどと思っていたら、それは誰もターゲットにしていないのと同じことになる」

「『何百万人の人々に』ではなく、特定の商品、サービスを使ってくれる人にみてもらいたい」というような、メッセージを届けたい相手を明確にしなければならないわけだ」

--インターネットを利用した広告はこの10年ほど、目まぐるしい変化を遂げてきた。この先はどうなっていくのか

「インターネット広告は二つに分かれていくだろう。一つは、ブロードバンド環境を通じて、動画やデータ容量の大きいリッチコンテンツでブランディングするような形式。もう一つは、よりきめ細かなターゲティングができることだ。エンドユーザーがコンテンツをつくるCGMは、ここで強みを発揮する」

--MSNにとって、環境の変化にともなうサービスとは何か。どのようなポータルになっていくのか