日本ビクターは、ハイビジョンEverioの新モデル「GZ-HD3」を発表した。発売は8月上旬で、価格はオープン。推定市場価格は15万円前後。

ファミリー層へ向けたハイビジョンハードディスクムービー「GZ-HD3」。ブラックとシルバーの2色がラインナップされる

同社では、今年2月にフルハイビジョンハードディスクムービー「GZ-HD7」を発表している。GZ-HD7は、家庭用ムービーとしては、現時点で唯一リアルにフルハイビジョン撮影が可能なモデル。しかし、その分、サイズが大きくなるなど、若干マニア層に向けた製品となっている。しかし、現状では、一般家庭でのテレビのハイビジョンかもかなりの勢いで進行しており、ファミリーユースに向けた、もっと手軽に使えるハイビジョンムービーも求められていた。

このGZ-HD3は、そういったニーズに応えるべくGZ-HD7の弟分として発売されるモデル。1/5型57万画素CCD×3の3CCD方式の採用や60GB HDDの搭載など、基本性能はGZ-HD7を踏襲している。ただしムービーの解像度は1,440×1,080となっており、GZ-HD7には及ばない。また、レンズも、W端ではF1.8と同じだが、T端ではGZ-HD7の1.9からGZ-HD3では2.2と若干暗くなっている(ただし撮影に必要な最低照度はともに18ルクスと変わらない)。ズームレンズは、GZ-HD7の39.5mm~395mm(35mm換算)から、GZ-HD3では42.2mm~422mm(動画)/48mm~384mm(静止画)へと変更されている。このようにGZ-HD7の濃い部分を若干捨てて、その分ボディのコンパクト化、低価格化など、よりファミリー層へ向けた構成となった。

サイズに関しては、GZ-HD7に比べて約3割減の幅82mm×高さ75mm×奥行き145mm。現行のSD画質Everioのサイズが(GZ-MG575の場合)幅74mm×高さ72mm×奥行き118mmで、GZ-HD3の約3割減。GZ-HD3は両者のちょうど中間のサイズということになる。

ムービーの記録方式は、GZ-HD7と同様、MPEG-2形式。撮影モードはXP(VBR:最大約30Mbps)、SP(VBR:最大約22Mbps)、1440CBR(CBR:約27Mbps)の3種類。すべてのモードが1440×1080の解像度となる。また、SPモードを使用する場合には、SDHC規格(Class6)に対応したSDメモリーカードにも記録することが可能だ。SDメモリーカードに記録されたムービーも、ハードディスクに記録された場合と同様、一般的なMPEG-2形式なので、H.264形式になるAVCHD規格のムービーと比べて、その後の加工や取り回しは比較的楽だ。

撮影したムービーは、GZ-HD3を直接テレビに接続して見るほかに(HDMI端子やコンポーネント端子も装備)、USBポートからPCに転送し、付属のソフトウェア「CyberLink BD Solution」で編集、さらにDVDやBDに書き込むことができる。もちろん、DVDに書き込んだ場合には、PCでは再生できるが、一般のDVDプレーヤやレコーダーはハイビジョンのDVDに対応していないため再生はできない(SD画質にダウンコンバートする機能は備えている)。ただし、PCではなく、オプションのDVDライター「CU-VD40」を使用して書き込んだ場合、DVDライターとテレビを接続すれば、ハイビジョン画質での再生が可能だ。同社によると、現在、EverioとDVDライターを同時に購入しているユーザーは全体の約40%程度だそうで、書き込むためだけではなく、一種のプレーヤーとしても使用されていることが伺える。