中国オンラインゲーム最大手の盛大はこのほど、同じく業界大手の錦天科技発展との間で買収合意に達したと発表した。錦天科技はオンラインRPGの大手ベンダーで、開発だけでなく運営も事業とする企業。現在、運営中のタイトルにはMMORPGの『風雲オンライン」と『伝説オンライン』がある。

錦天科技は2004年に創立されたベンチャー企業だが、短期間のうちに中国大手オンラインゲームベンダーに成長した企業。経験豊富な開発チームと運営力、そして中国全土にまたがる販売チャネルがその成功の秘訣とされている。目玉タイトルの『風雲オンライン』は中国の神話を題材にしたMMORPGで、2006年12月に商業化してから、すでに600万ユーザーを獲得しており、2007年の第2四半期においても常時接続ユーザー数が150万に達する大ヒット商品に成長している。

一方、最大手の盛大は一時期の勢いに陰りを見せ始めている。九城などライバルの猛追もあり、タイトルラインナップの充実が急務であった。新興企業である錦天科技の買収は、オンラインゲームの主戦場であるRPG市場において盛大の足元固めに貢献するとともに、錦天科技の数百万にのぼるユーザーも大きなポイントになったと考えられる。また、錦天科技の本拠地であり、これまで盛大にとって手薄だった中国西南地域の市場と開発人材の囲い込みにもめどが立つことから、これ以上ない買い物と言えそうだ。

盛大の2007年度第1四半期の財務レポートによると、オンラインゲームの収入が5.05億元に上り、前年同期比63.1%の成長になっているものの、IP TVなどの事業多角化戦略のとん挫もあり、本業の再強化が不可欠だった。今回の買収も、その一環であると言えそうだ。