米Motorolaは7月11日(現地時間)、同社会計年度で2007年第2四半期(4-6月期)決算の暫定見通しを発表した。これまで同四半期の売上を第1四半期と同程度の94億ドルと見積もっていたが、今回の発表では86~87億ドル程度に予測を下方修正している。またGAAPベースでの純利益は、1株あたり0.02~0.04ドルの赤字を見込んでいる。Motorolaでは近年の業績低迷を受け、2007年初めと5月末に計4000人規模の人員削減を含むリストラ策を発表しており、今回の決算にはリストラにかかる諸経費が計上されている。
薄型携帯RAZRの大ヒットで携帯電話機の市場シェアを大きく躍進させたMotorolaだが、ここ1~2年はRAZRに続くヒット商品に恵まれず、Nokiaなどのライバル勢に押しやられている。Motorolaによれば、今回の業績下落は北米地域以外のアジアや欧州での販売低迷が原因だという。だが同社が主戦場とする北米市場においても6月末に米Appleの新製品iPhoneが投入されており、さらに競争が激化するものとみられる。特に売上を押し上げる要因となる高級機の分野にiPhoneが登場したことは、第3四半期以降の決算に影響を及ぼす可能性がある。