7月20日が中間取りまとめ意見募集締め切り
以上見てきたように、中間取りまとめ案が提示した新しい通信・放送に関する法体系は、範囲が広く、そして深い。総務省の前身だった郵政省時代も含め「NTT民営化以来の大事業」(内藤氏)というように、再編される現行の法律は、放送法、有線ラジオ法、有線テレビジョン放送法、電気通信役務利用放送法、有線放送電話法、NTT法、電気通信事業法、有線電気通信法、電波法、と9つを数える。これだけの法律を再編し、2010年の通常国会までに提出するというのだから、実務を担う総務省も大変なものだ。
規模や範囲だけなく、テレビかインターネットを利用しない日がほとんどないことを考えれば、国民に対する影響ははかりしれないものがある。だが、そうした重要な法案に関する中間取りまとめ案にもかかわらず、メディアなどで議論が広がっているとは言えないのが現状だ。
総務省では、今回の中間取りまとめ案に関し、意見(パブリックコメント)を募集している。情報通信政策局 情報通信政策課 通信・放送法制企画室が窓口となっており、期限は7月20日17時必着で、郵送の場合は同日必着としている。また、8月には「通信・総合の総合的な法体系に関する研究会」の第13回会合が開かれ、パブリックコメントの結果報告や主要事業者、団体、有識者からのヒアリングが予定されている。
コンテンツ産業振興、メディアの世界的再編、プライバシーの尊重、ネット社会のあり方……。こうした問題を考えるきっかけとして、今後もぜひ、マイコミジャーナル編集部はこの新法制についての報道を続けていきたいと考えている。