日立アプライアンスは、サイクロン式クリーナーの新モデル「CV-SL10」「CV-SL9」「CV-SL8」と紙パック式クリーナーの新モデル「CV-PL10」「CV-PL9」を発表した。発売は7月28日で、価格はオープン。推定市場価格は、CV-SL10/PL10が5万円前後、CV-SL9/PL9が4万円前後、CV-SL8が3万円前後。

「ごみハンターヘッド」を搭載した「CV-PL10」

今回発表された5機種のうち、サイクロンクリーナーのCV-SL10/SL9は570W(CV-SL8は560W)、紙パック式クリーナーの上位機種CV-PL10は590Wと(CV-PL9は580W)、両方式で業界最高の吸い込み仕事率を達成している(新基準)。

同社では、新基準での表示に統一された2007年のクリーナー市場で再び吸い込み吸引力の競争が激しくなると予想しており、ファンモーターの回転翼形状の最適化やモーターの磁界解析による徹底的な損失低減、本体流路の低損失化などを行ったとのことだ。

CV-SL10/PL10では、モータードライブされる回転ブラシを搭載した新開発の「ごみハンターヘッド」を搭載している。細かなごみがフローリングの上に落ちているような場合、強い吸引力と高速回転するブラシでは、逆にごみを散らかしてしまう結果になるが、それに対して、絨毯の奥に入ったゴミなどは、高速回転するブラシと強力な吸引力の組み合わせでなければ、効果的に吸引することができない。ごみハンターヘッドでは、たんにブラシを回転させているだけでなく、回転の際にパワーヘッド部分に流れる電流のパターンを検出することで、床の材質や、ヘッドを動かしている速さなどを判断し、本体のファンモーターとブラシのモーターの回転数をリアルタイムに制御する機構が搭載されている。通常、クリーナーを使用する場合には、その床の状態に合わせて、「強」「弱」などのモードをユーザーが選択するが、ごみハンターヘッド搭載モデルでは、「これだけボタン」を押すだけで、クリーナー自体が、自動的に床やごみの状態に合わせた吸引パターンを選択する。

現在の運転モードは、ヘッドに搭載されているランプの色で知ることが可能だ。なお、ファンモーターと回転ブラシの回転数は、1対1で決められており、回転ブラシのみ低速でファンモーターは高速といった制御は行われない。ごみハンターヘッドは、CV-SL10/PL10のみの搭載で、CV-SL9/PL9には、同じく自走式の「パワフル快走ヘッド」、CV-SL8にはエアー駆動の「パワフルタービンヘッド」が搭載される。

ごみを吸引する能力だけでなく、メンテナンスの手軽さも、最近のクリーナーでは大きなポイントになっている。各社のハイエンドモデルでは、フィルターに付いた細かな埃を、電動式ブラシなどで落とす機構が搭載されている。今回発表された5機種はミドルクラスのモデルなので、電源コードを引っ張ったときに自動的にフィルターのクリーニングが行われる機構が搭載されている。サイクロンタイプでは「スパイラルワイヤー」と「ビートパネル」を搭載。紙パックモデルでは「3面ブルッとエンジン」と「パワー長持ち流路」の搭載により、どちらも10年間、フィルターのクリーニングを行う必要がない。なお、これらの機構はCV-SL10/PL10だけでなく、今回発表された5機種すべてに搭載される。

また、ゴミ捨ての際の埃の舞い上がりも改善されている。従来、同社のサイクロンクリーナーでは、ティッシュペーパーをセットして、そこにごみをまとめることで、ゴミ捨て時の埃の舞い上がりを抑える「ごみダッシュサイクロン」が採用されていたが、新モデルでは、さらにごみの舞い上がりを抑える、新「ごみダッシュ」が採用されている。従来のごみダッシュサイクロンでは、ごみを捨てた際に、ティッシュが上からかぶさるような形になっていたが、新ごみダッシュでは、ティッシュがごみを包み込むような形で捨てられる。

同社がアンケートを行った結果、紙パック式のクリーナーでも、ゴミ捨て時の埃の舞上がりを気にするユーザーが多いという結果が出たとのことで、今回発表された紙パック式クリーナーでは、新たに「こぼさんパック」を採用している。これは、紙パックを取り出す際に、紙パックの穴の部分にシールが貼られるというもの。これにより、ごみを捨てる際の埃の発生をほとんど抑えることが可能だ。

このブラシの回転数とクリーナー本体のファンモーターの回転数が自動的に制御される

素材の違う床を掃除している場合でも、スイッチの切り替えを行う必要はない