調査会社の英Juniper Researchは9日、携帯電話を使った支払いに関する調査レポートを発表した。それによると、2011年には世界で約2億400万人が携帯電話を使って買い物などの支払いを行い、取引額は220億ドルに達すると予想している。
同レポートは、携帯電話を利用して買い物をしたり、乗車券を購入する「mPayment」の動きについて調べたもの。携帯電話の支払い機能の利用は、日本などアジア地域が進んでいるが、欧州でも交通機関の乗車券購入などで実験/商用化が進んでいる。
レポートによると、2009年の短距離無線通信規格「Near Field Communication(NFC)」の商用化により、利用が一気に進みそうだという(NFCは、日本で多く採用されているソニー「FeliCa」の上位規格)。ただし、途上国ユーザーの多くは高度な携帯電話を利用せず、SMSを利用して個人間の送金/支払いを行うと予想している。双方を合わせると、mPayment利用者数は2011年に2億400万人となり(NFCやFeliCaを搭載した携帯端末の利用者は5200万人の予想)、取引額は220億ドルに上る見込み。
今後の課題は、ビジネスモデルの確立と、売上げをどのように共有するかという点にある。すでに携帯電話メーカー、チップメーカー、金融機関などの関係者が安全で使いやすいmPaymentの促進で協力しており、利用者増加の好材料になるとみている。