NTTドコモは10日、住居内や店舗内でのFOMAエリアを拡大するための「フェムトセル用超小型基地局装置」を開発したと発表した。屋内でのつながりにくさを、従来の設備より低コストで解消できる。秋頃より運用を開始する予定。

フェムトセル用超小型基地局装置

同社では高層ビルや地下街での通話を可能にするために、従来から屋内用小型基地局装置の設置を行っていたが、装置の大きさは240×320×45mmで、カバーするエリアは半径最大約300メートル(最大32ユーザー)程度だった。これが、新しいフェムトセル用装置では、大きさが135×184×40mmと家庭用無線LAN装置並みになり、エリアは半径数十メートル(最大4ユーザー)となる。

これにともない、出力は20mW(従来は100mW)とより弱い電波で運用が可能になるほか、消費電力は12W以下(同100W以下)、装置の価格(設置コストは除く)も従来比約6分の1となり、よりきめ細かなエリア拡充を低コストで行えるようになる。利用する周波数は2GHz帯のみで、800MHz帯および1.7GHz帯は使わない。

適用例のイメージ

フェムトセル用基地局についてはソフトバンクモバイルも取り組みを発表しているが、同社の場合各家庭のブロードバンド接続を利用し、利用者自身が装置を設置することを想定している。NTTドコモのフェムトセル用基地局は伝送路インタフェースにIP(10BASE-T/100BASE-TX)を採用するものの、接続されるネットワークは同社の事業用回線で、設置も従来通り同社が行うため、異なるアプローチとなっている。

フェムトセル用超小型基地局装置は、18日から東京ビッグサイトで開催される移動体通信の総合展示会「ワイヤレスジャパン2007」で展示される予定。