ソースネクストは9日、ネット経由でデータ・機能の無料更新が可能な年賀状ソフト「筆王ZERO」を発表した。毎年変わる干支のイラスト・素材などのデータを無料で提供する。同社が昨年から推進する更新料無料の「"ZERO"~超顧客志向戦略」の第3弾製品で、Windows Vista / XP / 2000に対応。価格は4,980円で9月7日に発売する予定。
筆王ZEROで無料になる更新データは、アプリケーションのバージョンアップ、干支をはじめとするイラスト画像、郵便・局番/住所/最新辞書データ、文字フォント、背景・フレームなどの画像、文章例。更新は従来の「ウイルスセキュリティZERO」「携快電話ZERO」と同様、ユーザが利用するOSのサポート期間と同じ期間だけ無料となる。
ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏は、「筆王」更新料無料化の背景について、ユーザアンケートの結果から解説してみせた。
パソコンを使っている男女1,000人を対象に行ったインターネットアンケートによると、「今年の年賀状は出しますか?」との質問に、「出す」と回答したのが88.3%。続いて、「どのような方法で出しますか?」との質問には「ハガキ」が99.4%となった。多くの人が、今年もハガキで年賀状を出すことを示す数字だ。
続いて、年賀状の宛名面をどう作成するか、また文面をどう作成するかについては、それぞれ70.0%と70.4%が「ハガキ作成ソフト」を利用すると回答した。
しかし、干支は毎年変わり、それに伴いイラストやデザインなどのデータも変更を迫られる。また、市町村合併に伴う郵便番号や住所の変更など、これまで貯めてきたデータを使い回すことができにくい状況にある。「バージョンアップもしくは買い換える理由は?」との質問に、67.0%の人が「新しい干支のイラスト・素材がほしい」と回答。「新機能を使いたいという方は、実は20.8%しかいない」(松田社長)のが現状なのだ。
こうした背景があった上で登場するのが、今回の筆王ZEROとなる。従来はCD版とDVD版、さらにアップグレード、ガイドブック付きなど、ラインナップが豊富ではあったが、消費者が店頭で迷いやすいという欠点があった。しかし、今後は筆王ZEROに一本化、CDとDVDの両方を添付し、解説書「できる筆王ZERO」を同梱して販売する。
松田社長によると、大まかに見積もって国内の総世帯数が約5,000万世帯、ユーザアンケートから年賀状を出すのは5,000万世帯の88.3%である約4,400万世帯、さらにハガキ作成ソフトで作るのが約4,400万世帯の70%である約3,000万世帯──ハガキ作成ソフトの市場規模は約3,000万世帯と指摘する。
一方、ハガキ作成ソフトのパッケージは毎年100万本が販売されている状況。つまり3,000万世帯に対して100万しか食い込めていないことになる。さらに2006年のハガキソフトのシェア(本数ベース)は「1位が筆まめ」(松田社長)で、筆王は後塵を拝している。
市場はまだまだ伸びる余地があるとみており、2007年は販売本数シェアで1位を目指す。
同社はこれまで、2006年7月の「ウイルスセキュリティZERO」、2007年6月の「携快電話ZERO」、そして今回の「筆王ZERO」と、ZEROシリーズのラインナップを拡大してきた。松田社長は、年間課金対応モデルからOS対応モデルへの流れを加速させ、今後もラインナップの拡大を図り、ZEROシリーズで売上約100億円を目指したいと意気込む。