上海文広新聞伝媒集団(以下SMG)はこのほど、中国移動および中国聯通ネットワークを通じ、携帯電話ユーザに「第5媒体」と銘打つ携帯電話テレビコンテンツを提供していくと発表した。年末までに100万人の視聴者獲得を目指す。

「5分間以内に最新情報が届く」というコンセプトを掲げる「第5媒体」の誕生について、業界関係者は、SMGが携帯電話テレビコンテンツSIとして本格的成長を目指す姿勢を明らかにしたと受け取っている。しかし携帯電話産業チェーンにとっては、携帯電話テレビの国家規準づくりが難航しているため、ビジネスモデルの策定もままならない状況におかれている。

上海東方龍新媒体(Shanghai Dragon New Media、以下「東方龍」)は中国最大級のマスコミ集団であるSMGの傘下で、モバイルストリーミングと付加価値サービスを提供している。東方龍は、広電総局発行の携帯電話テレビ運営ライセンスと信息産業部発行の「全国範囲電信付加価値業務経営許可書」を保有しており、携帯電話テレビとその付加価値サービスを主な業務内容としている。「第5媒体」は東方龍における携帯電話テレビ業務枠内のチャンネルであり、その運営方式はミニテレビ局とでも言うべきものだ。

SMGから独占的な業務委託を受けている東方龍は、SMG傘下12チャンネルの映像コンテンツを携帯端末で使用することができ、全国で5億人前後をカバーする「東方衛視」のプラットフォームで、SMS、MMS、WAP、IVRなどの付加価値サービスを展開している。

東方龍は当該チャンネル専用に約100平方メートルのスタジオを設置し、携帯電話テレビ番組制作専門の撮影・編集設備を提供している。放送するすべてのコンテンツは携帯電話ユーザ向けのものであり、撮影、編集制作、画面選択など、全ての面で携帯端末のディスプレイを対象とした手法が採用され、24時間の連続放送が実施されるという。