米Microsoftは7月5日(現地時間)、ゲーム機「Xbox 360」の保証期間を従来の1年から3年に延長することを発表した。今回の措置により、Xbox 360ユーザーは購入から3年以内であれば、通称「"赤ランプ"問題」と呼ばれるハードウェア上の故障に関して無償修理を受けられる。同社では保証期間延長プログラムにかかる諸経費を10億5000万ドルから11億5000万ドル程度と見積もっており、これを2007年度第4四半期(4-6月期)決算に組み込む予定だ。
ライバル他社に1年先行する形でリリースされ、早くも全世界で1000万台のセールスを達成しているXbox 360だが、発売当初より初期不良に起因するハードウェアの故障が報告され、そのサポートが大きな課題となっている。特に「赤ランプ」と呼ばれるトラブルでは、電源投入時に電源スイッチまわりの4つのランプのうちの3つが赤色に点灯し、いっさいの操作を受け付けなくなってしまう。こうした症例は多数報告されており、ハードウェア関連のトラブルとしてMicrosoftのサポートページにも記載されている。該当するハードウェアの故障の場合、ユーザーは同社のカスタマーセンターに修理を依頼しなければならない。
Xbox 360発売当初、北米では保証期間が購入後90日以内に設定されており、有償修理期間に入ってからハードウェアトラブルを経験するユーザーが多く、Microsoftはこれらユーザーの声に応え、昨年2006年12月に北米ユーザー向けの保証プログラムを90日から1年にまで延長した。今回の措置はそれをさらに拡大し、3年にまで広げたもの。保証期間の変更は、そのまま既存ユーザーにも適用される。
同社によれば、赤ランプ点灯の原因を調査した結果、発生に関する多くの要因が見つけられたという。こうした調査を受けてXbox 360の改良とともに、既存ならびに新規ユーザーへの保証延長に踏み切ったという。米Microsoftエンターテイメント&デバイス部門プレジデントのRobbie Bach氏は「多くのXbox 360ユーザーが発売初日から同機で素晴らしい体験をしているものの、この問題によって一部のユーザーは苛立ちを感じている」と認め、トラブルを謝罪。「われわれは(Xbox 360ユーザーの)コミュニティを非常に尊重しており、今回の件も顧客基盤への投資と考えている」と述べる。