有望なサービスであればあるほど、今後、競合が出てくることは十分考えられる。福嶋マネージャーは「サーバーを用いるだけなら、どこでもできるだろうが、検索機能を供給するだけでなく、顧客のビジネス支援のソリューションとして提案している。課題の解決がテーマだ。NECビッグローブとしてもNECとしても、このようなソリューションを出せるが、そういう形式のアプローチができるところはそれほどないのではないか。BIGGLOBEというポータル、かつユーザーの視点もあることが我々の強みで、さまざまな切り口がある」と語り、自信を示す。
このサービスは、Googleが推進を始めた検索アプライアンが背景にある。福嶋氏は「NECビッグローブは、検索アプライアンスサーバをいちはやく導入した。米Googleがまだ日本でこのサービスを事業として始めていなかった頃からの、長い間にわたる信頼関係があり、ノウハウとして活用してきた。それをサービスとして提供する」と話す。「Googleとは、彼らの黎明期からのユーザーとして、熱い信頼関係があり、密接な協力関係にある。今回のサービスの立ち上げに当たっては、Google日本法人から、技術情報などの支援を受けている」と語る。
また、福嶋氏は「Googleの検索アプライアンス戦略は2つの柱がある」とみている。「ひとつは企業内の文書管理のしくみを提供すること。もうひとつは外部向けのサイト内検索を提供することだが、どちらかというと、(用途は)文書管理が主流となっているようだ」。しかしNECビッグローブの狙いは「あくまで、Webサイト内の検索だ。Googleが想定している、もともとの主たる市場以外のところで、当社が大きなパートナーになれる」と考えており、Googleとの歩調があっていることを強調している。
同社は、プラットフォームとしてのBIGLOBEポータルを旗艦としてもっているが、今後はさらに、今回のような企業向けのソリューションサービスを強化していく方針だ。一方、このサービスの鍵となる「Google検索アプライアンス」を推進している米Googleは、企業向け事業にかなり力を注ぎ始めている。同アプライアンスが発展するかどうかの成否は、やはりパートナーとの協業が重要な課題となる。その意味からも、NECビッグローブ、ひいてはNECのような大手の企業グループとの連携はきわめて注目される。