新技術が取り入れられた掃除機ロボット

掃除機ロボットで注目を集めていたのはHANOOL ROBOTICSの「OTTORO」だ。OTTOROはよく見られる円形の掃除機ロボットとは異なり、楕円形でしかも前面に吸引口がついているのが特徴だ。

「ランダムに動いて掃除していた既存の掃除機とは異なる」とHANOOL ROBOTICSが自負するOTTOROの歩行システムは「オートマップ掃除方式」といわれるものだ。これによると部屋をジグザグにくまなく往来した後、壁にそって隅々のほこりを取る。

こうした歩行を誘導しているのが充電ステーションだ。これが天井に向けてレーザーを発すると、OTTOROは本体上面についているカメラでレーザーをキャッチして動く。動く間、家の中にある障害物にぶつかる危険もあるが、それは本体前面のカメラと側面の超音波センサーが障害物を認識することで、衝突を避けている。

ちなみに日本への輸出は考えているのだろうか。これに対しHANOOL ROBOTICSは「じつは一度日本で試したことがあるのですが、とくに日本の伝統家屋などは凹凸が多く、しかも板張りや畳など床も変化に富んでいます。進出するにはこの問題をクリヤしないと」とのこと。日本でお目にかかれるかは不透明のようだ。

OTTOROは1度の充電で1時間程度動くが、バッテリーが残り少なくなると自動的に充電ステーションに戻る。価格は297万ウォン(約39万6,300ウォン/1ウォン=0.1334円)

頼れる警備ロボット

家庭や公共機関などで安全を守ってくれるロボットを展示していたのは、DASA TECH。同社製の「EGIS-SR」はビル内の安全を守ってくれる警備ロボット。IEEE802.11b/gに対応し遠隔制御ができるので、EGIS-SRを動かして気になる場所をカメラでモニタリングすることができる。

もしあやしい人影や火災などがあった場合、センサーで直ちに感知し、連動している警備サービス会社に通報する。まだ開発段階ではあるものの、「現時点では家庭用というよりも業務用としての提供を想定している」(DASA TECH)とのことだ。

EGIS-SR。パトロール中にもしバッテリーがなくなってしまっても、自動的にステーションに戻り充電を始める

犬型の「Genibo」は生きた犬のような動作と、犬を超えた奇想天外な動作とで、周囲にいる人を楽しませてくれるエンターテインメントロボットだ。こちらもまだ開発中だが、いずれは100以上の言葉を認識したり、人からのタッチに反応したりといったことが可能になるという。

じつはGeniboに見た目は同じの「Genobo-Leto」というロボットも開発されている。これは情報通信部の国民ロボット事業により開発されたものだ。鼻先についているカメラを携帯電話などで遠隔操作して、Genibo-Letoが映し出した映像を遠隔地で見られるという実用的機能を持つのが、Geniboとの違いだ。

Geniboの動作は、PCにインストールして利用するマネージャプログラムで書き換えることもできる

さまざまな韓国製ロボットに出会える機会

このほか子どもの家庭学習から公共機関の案内を行ってくれる、多機能ロボットのYUJIN ROBOT「iRobi」、人の代わりになって困難な場所での作業を行ってくれるウリ技術の「LRP-6」など、多様なロボットの展示が行われている。

またMICROROBOTのブースは、韓国の永遠のヒーロー「ロボット テクォンV」をはじめとした3Dパズルも紹介されているので、マニアにも喜ばれそうだ。

iRobiはお腹の部分についた7インチのモニターと音声を利用して、自宅では家庭学習やゲームなどを楽しんだりできる一方、公共機関では館内の案内などを行えるようになっている。価格は500万ウォンと高めなので、まだ個人で持つ人はいないようだ

LRP-6は配水管の中や宇宙など、幅広い地域で利用することを想定して作られたロボット。アルミニウム合金からなる丈夫な本体が、素早い動きで困難な作業を進める

Microbotの3Dパズルシリーズ。「テクォンV」は19,900ウォン

ところでROBOT & ROBOTのオープニング式では、一般消費者代表からの祝辞もあり「(ROBOT & ROBOTを見て)これほどロボットを身近に感じられることはなかった」と述べられていたが、実際に見てみればその言葉が実感できるだろう。

今度韓国に訪問した際は、韓国のロボット産業の今を見て、触れて、感じられるROBOT & ROBOTを一度訪ねてみてはいかがだろうか。