ウィルコムは29日、7月19日に発売するスマートフォンの新製品「Advanced/W-ZERO3 [es]」の予約受付を開始したことにあわせて、都内のビックカメラ有楽町店およびヨドバシカメラマルチメディアAkibaにて「タッチ&トライ予約イベント」を開始した。期間は7月1日までの3日間。
ビックカメラ有楽町店では、受付開始の朝9時30分を前にしておよそ120人の予約希望客が列を作った。予約受付を始めるのに先立ってビックカメラ常務取締役の塚本智明氏は「W-ZERO3は第1弾(WS003SH)発売時の爆発的な人気に驚きを覚えたが、第2弾の予約受付時にはさらに多数のお客様にお越しいただけた。この第3弾は事前に見させてもらったが、スマートで先進的なデザインに感動した。こういった商品を都市型専門店としてぜひ大々的に展開したい」とあいさつし、売れ行きへの大きな期待を表した。
続いて、ウィルコム代表取締役社長の喜久川政樹氏が登壇し、今回の新製品は同氏が12年間にPHS携わってきた中で、最も同氏自身の心に「響いた」製品で、周辺の反応も同様に大きいとし、小型軽量な本体を指して「あえて"電話機"と呼ばせていただくが」と前置きしたうえで、「今日お越しいただいた方々には、いち早くこの"電話機"の良さを存分に味わっていただきたい」と呼びかけた。
ビックカメラ常務取締役の塚本智明氏。新製品を見たときの衝撃は「第1弾・第2弾をはるかに上回る」 |
ウィルコム代表取締役社長の喜久川政樹氏。従来機ユーザーにはもちろん、女性などさらに幅広い層に使ってもらえる電話機、と話す |
W-ZERO3シリーズの開発を指揮したシャープの中川潤子氏。「私にとっては子供のような存在。(第3弾が出て)ユーザーの皆様にも『ここまでよく育ってきた』と思っていただけるのでは」 |
また、製造元のシャープから通信融合端末事業部の中川潤子氏が招かれ、「初代W-ZERO3のときはこのジャンルの製品がなかったので、不安いっぱいの中で開発していた。今回"アドエス"(Advanced/W-ZERO3 [es])を発売できて嬉しくて仕方ないが、これはユーザーの皆様から支えられてきたおかげ。私にとっては子供のような存在」「メーカーとして伝えたいことを少し話させてください。女性にも使っていただける幅50mm・厚さ17.9mmのデザイン、これで電話をしていても違和感のないおしゃれ感、強度と薄さを両立させたマグネシウム合金の採用、シャープの液晶のワイドVGA画面、赤外線・ワイヤレスLAN・PHSのトリプルアクセス……」と、開発・製造現場での奮闘が実った喜びを興奮気味に話していた。
この日は先着150名の予約客に対し、ウィルコムグッズの詰め合わせが記念品として、喜久川氏、中川氏からの手渡しで贈られた。千葉・柏市から来た先頭の男性は、約4時間前の早朝5時30分ごろから店の前で受付開始を待っていた。スマートフォンは現在使用中のW-ZERO3 [es]に続く2台目で、小型軽量化されて電話としてもより使いやすくなることが特に魅力という。従来CLIE(クリエ)を使っていたが、最近はWindows Mobile対応ソフトが多く流通するようになってきたので、今後はPDAとしての使い勝手もさらに良くなることを期待したい、ということだった。
同店では週末となる6月30日・7月1日にも引き続きタッチ&トライ予約イベントを開催する。会場ではAdvanced/W-ZERO3 [es]を含むW-ZERO3シリーズ3製品の実機を手に取って使い勝手を確かめることができ、その場で予約申し込みが可能。同店での価格は新規契約+データ定額加入時29,800円、機種変更の場合は現在の電話機を10カ月以上使用+データ定額加入時34,800円、6カ月以上10カ月未満使用の場合49,800円、6カ月未満使用の場合54,800円。なお、従来のW-ZERO3シリーズからW-SIMを差し替えるだけで、機種変更手続きなしでも使用可能だが、W-SIMの機種変更を伴わない単体販売の予約受付は今回行われていない。
今年は夏以降、ウィルコム以外にも携帯電話事業者各社からWindows Mobile搭載スマートフォンが多数登場するが、喜久川氏は「現時点で我々はスマートフォンで圧倒的なシェアを取っている。今後他社との差は縮まってくるかもしれないが、先駆者として市場からのいろいろな反応を既に知っている。また、Advanced/W-ZERO3 [es]ではWebを見るのも通話するのもより多くなると思うが、我々には(料金面での)ストレスなく使っていただける定額という料金体系がある」と述べ、スマートフォン市場における同社の優位性が揺らぐことはないと自信を見せた。