CommunicAsia 2007には開催地の地元・シンガポールの企業の展示も多数あり、中小規模の企業からも意欲的な製品が出展されていた。その中のひとつ、Mobile Credit Paymentが出展した携帯電話回線を利用するクレジットカード決済端末は携帯電話を使ったユニークなアプリケーションとして多くの来訪者の注目を浴びていた。
この端末は電源のない店舗外でもクレジットカード決済を利用できる、バッテリーを搭載した持ち運び可能な小型の決済端末。携帯電話の電波の飛んでいるエリアであればどこでも利用可能で、リアルタイムにセキュアな決済が可能だという。携帯電話を使った携帯キャリアによる決済サービスとは違い、誰もが持っているクレジットカードをどこでも利用可能にするという点が興味深い。
若干大柄なバーコードリーダーのような形状をした端末は、本体内に携帯電話機能を搭載した決済端末。本体背面に通信モジュールスロットを搭載しており、ここに携帯電話モジュールを装着して利用する。モジュールはGSM版、CDMA版、無線LAN版の3タイプが用意されるとのこと。利用時にはクレジットカードを本体のスリップに通すか、ICチップ搭載クレジットカードの場合は右のスロットに挿入、するとディスプレイに金額入力画面が表示され、金額をインプットし送信することで即座に決済が行われる。利用控えはロール紙に印字可能だ。これ1台でどこでも決済が可能なため、比較的大量の決済を行う用途に適しているという。
携帯電話内蔵型の決済端末。本体右上のスリップ部分にクレジットカードの磁気部分を通して利用する。ICチップ搭載クレジットカードは本体右側面にIC部分を挿入する |
背面には通信モジュールを装着。GSM、CDMA、無線LANのユニットが用意される |
携帯電話を装着して利用する小型プリンタのような形状をした端末は、MotorolaのiDEN端末向けの装置。iDENは北米や東南アジアなどで主に運送業のドライバーなどに広く使われており、本ユニットは個人タクシーやハイヤーなどでの利用が考えている。同社の開発した携帯電話用決済専用アプリケーションを利用する携帯電話にあらかじめインストールしておき、利用時は携帯電話を決済端末に装着、シリアルケーブルを接続する。携帯電話から決済アプリを起動、クレジットカードを端末のスリットに通すと金額入力画面となり、ここに携帯電話の数字キーを使って金額を入力、データを送信することで決済が完了するわけだ。携帯電話を接続して利用することから、1日数回など少量の決済に適しているとのこと。
小型の箱型の端末はBluetoothを搭載したワイヤレス端末。対応する携帯電話はNokiaのGSM/W-CDMAに対応したS60スマートフォンで、決済用のアプリケーションも同社が開発している。iDEN携帯用の決済端末同様、携帯電話でアプリケーションを起動し、クレジットカードをスリップに通したあと金額を入力して決済操作を行う。ケーブルで接続する手間がなく取り回しが容易なため、少量~中規模な決済頻度に適しているそうだ。