米Gartnerが6月27日 (現地時間)に世界のPC出荷台数予測を発表した。2007年は2億5710万台で、2006年の2億3150万台から11.1%の伸びになると見る。「PC販売を引き上げるキラーアプリケーションに欠けるものの、PCベンダーが新興市場へと浸透したことが2007年のPC販売を活気づけている」という。

クライアントプラットフォーム市場グループのリサーチディレクターであるGeorge Shiffler氏は「1月末のMicrosoft Windows Vistaのリリースは、これまでのところ業界の多くが期待しているほど市場を刺激できずにいる」と指摘。「われわれの市場データは、PCの需要または買い換えに対するVistaのインパクトがわずかであることを示している。今後についても、Microsoftがより積極的なマーケティング努力を行わない限り、大きな効果は望めないだろう」と続ける。

それでもPC出荷台数が落ち込まない理由の1つはモバイルPCの伸びだ。2007年の出荷台数予測は1億320万台で、2006年から27.1%の成長となる。要因として、平均販売価格の下落、性能の向上、ワイアレス接続の普及などが挙げられている。一方、デスクトップPCについては、前年比2.4%増の1億5390万台と予測する。

「コンシューマを中心としたモバイルPCに対する大きな需要はPCベンダーに大きな成長のチャンスをもたらしている。だが、デスクトップPCの買い換えの減退、市場拡大の可能性の衰退は、特に大規模なビジネス市場において、成長の維持を困難なものにしている」とShiffler氏は分析する。

もう1つの成長要因は新興市場でのPC販売の伸びだ。PCベンダーの新興市場への浸透が数字にはっきりと現れており、2007年は全体のおよそ55%が新興市場向けの出荷になるという。これらの市場ではPCの新規導入が大半を占めるのが特徴だ。Gartnerのアナリストは、今後2年間に1億2800万台のPCが新たに導入されると見ている。内訳はデスクトップPCが7700万台、モバイルPCが5100万台だ。これは2007年と2008年に世界で出荷されるPCの約25%に相当するという。