デルは27日、個人向けPCのブランドラインを刷新し、新たなブランドコンセプトに基づくデザイン性、機能性を特徴とした新製品群の投入を発表した。新戦略を武器に多様化するユーザーニーズに対応する。今回の発表は世界同日で実施されており、国内では東京・青山の複合文化施設スパイラルを会場に報道向けのお披露目イベントが開かれた。
今年のデルは一味違う!?
これまで、同社のコンシューマ向けブランドラインには「Inspiron」「Dimension」という2系統が存在していたが、明確なターゲティングを目指し、今後は新コンセプトを採用した「Inspiron」ブランドに一本化する。個人ユーザーのプライベートシーンを創造性ある刺激的なものにするという「ライフエンターテイメントPC」を標榜しており、これまでにない機能性、デザイン性の向上を目指す。
Inspironの新製品はデスクトップとノートブックに投入され、製品コンセプトは「テクノロジーとニーズの最適化」。コストパフォーマンス、汎用性、最新のデザイン、高信頼性といった特徴を謳う。特にノートブック製品では天板のカラーバリエーションを8色用意するなど、「所有する満足」を意識したラインアップで展開する。
コンシューマ向けのプレミアムブランドである「XPS」は継続。ハイエンドの位置づけをより強く意識し、妥協の無いデザインとパフォーマンスをアピールする。XPSの新製品はノートブック1機種のみだが、「究極のPC」という製品コンセプトで、最先端の技術、デザイン、サービスを盛り込んでいく。
日本マーケットの牽引役に
デルの取り組みが、国内PC市場の牽引役となりうると期待するのが、ゲストとして登壇したインテル 技術開発 製造技術本部 本部長の阿部剛士氏。インテルのリサーチによれば、ノートブック市場は現在、成熟市場や新興市場の区別無く、世界規模で拡大を続けている。ノートブックといえば日本市場は昔から強く、その傾向は現在も変わらないが、世界の他地域に比べ、市場の拡大スピードに陰りが見て取れる。ここには多少、特殊な傾向が見られるのだという。
世界でノートブックが躍進している原動力は"モバイル"ノートブックである。しかし、日本国内のノートブックの主役は"ステーショナリー"ノートブック。この場合の"ステーショナリー"とは、いわゆるデスクトップの置き換えで使う、据え置き型ノートを指しており、日本ではこの比率が約6~7割ほどを占めるという。インテルは、市場の盛り上げには"モバイル"への訴求が重要だと考えている。阿部氏は最後に「デルのイノベーションが活力となることを期待したい」とコメントを寄せた。
ショウケースをチェック
会場内には新製品の実機が展示されていた。せっかくなのでちょっとしたフォトレポートを掲載しておこう。 なお、製品の詳しい仕様や販売情報について、デスクトップはこちら、ノートブックはこちらに別記事を用意したので、あわせてご覧いただきたい。