デノンは、HDMI 1.3aなどの最新環境に対応したAVサラウンドアンプ5機種とAVプリアンプ、パワーアンプ各1機種を発表した。型名、発売日、価格などは表の通り。

エントリーモデルながらHDMI 1.3aに対応 - AVC-1508

「AVC-1508」は、今回発表されたラインナップのなかではエントリークラスのモデル。とはいえ、1.3aに準拠したHDMI入力端子を2系統、出力端子を1系統装備しており、Deep ColorやxvYCCにも対応する。

オートセットアップ機能の「Audyssey multEQ」も搭載しており、部屋の特性に合わせたセッティングが自動的に行われる。

音質面でも、信号経路のストレート化や、ブロックごとに分けられた電源回路の採用、さらに防振構造の見直しなどにより、透明度が高く、定位のはっきりしたサウンドを実現しているという。また、MP3などの圧縮音楽の再生時に、高域や低域などの失われた音成分を補完する「Compressed Audio Restorer」も搭載している。

HDMI以外の入出力端子は、ビデオ入力が、コンポーネントD入力×3、S×3、コンポジット×3。ビデオ出力が、コンポーネント×1、S×2、コンポジット×2。オーディオ入力がアナログ×8、8ch外部入力×1、光デジタル×2、同軸デジタル×2。オーディオ出力が、プリアウト×1、レックアウト×2となっている。実用最大出力は135W×7ch。

低価格ながら、HDMI 1.3aに対応している「AVC-1508」

HDMIへのアップコンバージョンも可能 - AVC-2308

AVC-1508の1クラス上の「AVC-2308」。AVC-1508の機能に加えて、ファロージャ製のI/Pコンバータを搭載している。これにより、アナログビデオを1080pにスケーリングして出力することが可能。また、I/P変換時に発生するジャギーなどの補正も行われる。

入出力端子も増やされており、コンポジット/Sビデオ入力は、それぞれ5系統に、コンポジット/Sビデオ出力はそれぞれ3系統に、アナログオーディオ入力は9系統に、光/同軸デジタル音声入力はそれぞれ3系統になっている。また、AVC-1508には無い光デジタル音声出力端子が1系統装備される。実用最大出力は、150W×7ch。

ファロージャ製I/Pコンバータを搭載し、HDMIへのアップコンバージョンも可能な「AVC-2308」

DDSC-HDやAL24 Processing Plus、さらに最新デコーダーも搭載 - AVC-2808

「AVC-2808」は高音質サラウンド再生回路「DDSC-HD」を搭載したモデル。全chが同一レスポンス/同一クォリティとなるように構成された信号処理回路を中心に、デコード用の2基のフローティングポイントタイプ32bit DSP(AVC-2308以下は1基)などが搭載されている。マスタークロックも高精度化されており、ジッターを最小限に抑えクリアな再生音を実現しているという。

また、AL24 Processing Plusを全chに搭載。これは、量子化サンプリングビット数を16bitから24bitに拡張するもので、アナログに近い再生音を実現する。搭載されている音声DACは192kHz/24bit、またビデオDACは216MHz/12bitとなっている。

さらに、最新の音声フォーマットである「Dolby TrueHD」「DTS-HD Master Audio dcoding」にも対応(AVC-2308以下は非対応)している。

付属のリモコンは、このモデルから学習リモコンとなる(AVC-2308以下はプリメモリリモコン)。

入出力端子も増やされており、コンポジット/Sビデオ入力は7系統に、コンポーネントビデオ出力は2系統に、アナログオーディオ入力は10系統に、光デジタル音声入力は4系統に、光デジタル音声出力は2系統となっている。実用最大出力は160W×7ch。

高音質サラウンド再生回路を搭載し、最新の音声フォーマットへも対応した「AVC-2808」

2系統のHDMIへの出力が可能、ネットワークにも対応 - AVC-3808

AVC-3808は、2系統装備したHDMIに同時に出力することが可能なモデル。また、インターネットラジオやDLNAなどのネットワークにも対応する。USBポートを2基装備しており、マスストレージデバイスからダイレクトに音楽を再生することが可能となっている。

ネットワークやUSBに対応したことで、本体のディスプレイは日本語対応となり、日本語を使用したファイル名などの表示も可能となっている。

また、マルチゾーン再生にも対応しており、例えば、5.1chはリビングで、残りの2chは別の部屋で、というようにそれぞれ別のソースを再生させることも可能だ。

なお、AVC-3808から上の機種では「Audyssey multEQ XT」が搭載され、リスニングルーム全体の環境設定が可能となる。実用最大出力は180W×7ch。

2つのHDMIポートへ同時出力が可能、さらにネットワークへも対応する「AVC-3808」

Advanced AL24 Multi channelを搭載した一体型の最上位モデル - AVC-A1HD

「AVC-A1HD」は「Advanced AL24 Multi channel」の搭載と、入出力の増加、無線LANへの対応などを特徴とするモデル。

Advanced AL24 Multi channelは、AL24 Processing Plusでのビット拡張に加え、時間軸方向での拡張も行うというもの。より自然なアナログ変換が可能となる。また、I/Pコンバータは、Silicon Optix製の「REALTA」を採用。よりジャギーの少ない映像を実現している。なお、AVC-A1HD以上のモデルは「THX ULTRA2」の認証を受けている。

ビデオ入出力は、HDMI入力が6系統に、コンポーネント入力が6系統に、S/コンポジット入力が8系統に、コンポーネント出力が3系統にS出力が5系統に、コンポジット出力が6系統に増やされている。また、オーディオ入出力も、アナログ入力が11系統に、光デジタル入力が5系統に、同軸デジタル入力が4系統に、プリアウトが16chに、レックアウトが3系統に光デジタル出力が4系統にそれぞれ増やされている。また、新たにBNCデジタル入力を2系統装備している。実用最大出力は245W×7ch。

Advanced AL24 Multi channelを搭載した一体型最上位モデル「AVC-A1HD」

セパレート構成で理想的なシステム構築が可能 - AVP-A1HD / POA-A1HD

同社のAVアンプとしてはハイエンドモデルとなるのが「AVP-A1HD」「POA-A1HD」の組み合わせ。

AVプリアンプのAVP-A1HDでは、AVC-A1HDの機能に加え、バランス入力端子を1系統、さらに自由にアサインが可能な12chのバランス / アンバランスプリアウト端子を装備する。バランス端子は、ホットとコールドの両方で2台のDACが差同動作するというもの。誤差の少ないアナログ変換を実現している。

パワーアンプのPOA-A1HDは、300W×10chのハイパワー。各chを独立させたモノラルコンストラクションを採用しているモデル。チャンネル間の干渉を防ぎ、リアルな音場再現を実現している。

バランス入出力を装備したAVプリアンプ「AVP-A1HD」

300W×10chのハイパワー、モノラルコンストラクションの採用による純度の高いサウンドが特徴の「POA-A1HD」

品名 品番 価格 発売時期
AVプリアンプ AVP-A1HD(SP:プレミアムシルバー) 735,000円 10月下旬
パワーアンプ POA-A1HD(SP:プレミアムシルバー) 735,000円 10月下旬
AVサラウンドアンプ AVC-A1HD(SP:プレミアムシルバー) 598,500円 10月下旬
AVサラウンドアンプ AVC-3808(SP:プレミアムシルバー) 231,000円 8月下旬
AVサラウンドアンプ AVC-2808(SP:プレミアムシルバー) 168,000円 8月下旬
AVサラウンドアンプ AVC-2308(SP:プレミアムシルバー) 105,000円 9月下旬
AVサラウンドアンプ AVC-1508(SP:プレミアムシルバー) 58,800円 9月下旬