ZTE(中興通信)はHuaweiやAmoiと並ぶ中国メーカーで、W-CDMA端末を世界各国の通信キャリアに納入している。今回はライバルの中国メーカーに先駆けて発売したHSDPA対応最新端末や、開発中のモデルなどを多数展示していた。
HSDPAに対応した「F230」「F890」
「F230」はHSDPA/W-CDMAおよびGSM 3バンドに対応しており、ヨーロッパの通信キャリアなどで発売されている。HSDPAは下り最大7.2Mbpsの高速通信にも対応するとのこと。折りたたみ式スタイルでヒンジ部には回転式の1.3メガピクセルカメラを備え、サブディスプレイは消灯すると端末背面全体がミラー状になり、またアクセントとしてデザインされた模様が入っている。さらに背面に音楽操作ボタンを備えており、閉じた状態のままで音楽再生操作をすることも可能だ。全体的には大手メーカーの端末のデザインを所々に配しているような印象も受けるが、中国メーカーがこのスペックの端末をすでに生産できるということは他のメーカーにも脅威だろう。
またF890はHSDPA/W-CDMA 2100/850MHzに対応しており、オーストラリア市場で発売されている。サイズはやや大柄で、デザインもちょっと前のLG風の外観やMotorola RAZR風キーパッドなど若干垢抜けない感じだ。ただし端末コストは大手メーカーより安く、HSDPA/3Gのエントリモデルとして納入先キャリアには好評とのこと。またプリペイドユーザー向けに安価で提供されるなど、3G/HSDPAの利用者拡大にも一役買っているとのことだ。
多数の開発中/コンセプトモデルを展示
このほか、同社は開発中の製品やデザインコンセプトモデルを多数展示していた。コンセプトモデルはモックアップだけのものもあるが、大胆なデザインのものなどユニークなものがいくつか展示されていた。また動作可能機種として小さいヘルメット型のTV電話端末(発売中)や、カード型のHSUPA端末(開発モデル)など、他社にないデザインの端末などは多くの来訪者の目を引いていたようだ。
W-CDMA/HSDPA、そしてHSUPAなど最新技術に対応した端末は中国メーカーどうしでも開発競争が激しくなっている。ただ安いモデルだけではなく、今後はデザインや使い勝手などに優れた製品を開発し、生き残りを図っていこうとする姿が同社ブースの展示からは見えていたようだ。