アジア最大級の短編映画祭「Short Shorts Film Festival &Asia 2007」が25日、開幕した。同日、メイン会場となるラフォーレミュージアム原宿では、オープニングイベントが開かれ、ショートフィルム文化に貢献した人物に贈られる話題賞に今年は松田聖子とケイン・コスギが選ばれたと発表した。また、コンペティション部門の審査員として女優の寺島しのぶが登場。昨年の話題賞を受賞したガレッジセールのゴリも"イメージチェンジ"して登壇し、同映画祭の開幕を祝った。

今年の話題賞に選ばれた松田聖子と、昨年の話題賞を受賞したガレッジセールのゴリ(写真右から)

毎年開催されている「Short Shorts Film Festival」。今年は、アジア限定で優れたショートフィルムを集めた映画祭「Short Shorts Film Festival Asia」との同時開催が決定しており、名称も「Short Shorts Film Festival & Asia 2007」とした。世界中から届けられた2,000本以上にも及ぶ応募作品の中から、映画祭実行委員会によって厳選された約90作品が上映され、これらの作品の中からグランプリに輝いた作品は、次年度の米国アカデミー賞短編部門において選考対象作品となる。アワードの審査対象となるオフィシャルコンペティションでは、応募作品の中から、映画祭実行委員会が厳選した全13プログラムが上映される。さらに、柳楽優弥と菊地凛子の声優初共演作品を含む『Genius Party(ジーニアス・パーティ)』(7月7日公開)や、昨年度のコンペティション・ジャパン部門で最高賞を受賞した大根田英俊監督の最新作『天狗外伝』(出演・栗山千明、ミッキー・カーチスなど)なども上映される。

今年で9年目を迎えるShort Shorts Film Festival(ラフォーレ原宿会場外観)

オープニングイベントでは、同映画祭代表の別所哲也が「(僕にとってShort Shorts Film Festivalは)ヨチヨチと歩き始めた子供のような映画祭でした。しかし、今年で既に9年目を迎え、ここまで成長したんだなぁと感慨深く思っています」と挨拶。あわせて、2008年の10周年に向け、新部門「ストップ! 温暖化部門」をチーム・マイナス6%(環境省)と共同で設立すると発表した。

同映画祭代表の別所哲也氏

ダチョウ倶楽部の上島竜兵の映画初出演作品となる『Line』(監督・中尾浩之)が同映画祭で特別プレミア上映された。中尾監督は「コンペティション部門ではないので、純粋に笑えて、楽しめる作品に仕上げました」とコメント

テレビドラマ『フレンズ』のレイチェル・グリーン役で一躍有名になった女優・ジェニファー・アニストンの初監督作品『Room 10』が特別賞に選ばれた。残念ながら本人は欠席したが米国大使館東京アメリカセンター副館長のケビン・オルブリッシュ氏(写真左)が代理受賞した

ショートフィルム文化に貢献した人物に贈られる「話題賞」には、松田聖子とケイン・コスギが選ばれた。2人は、松田聖子自らが作詞・作曲・プロデュースを務めた『涙がただこぼれるだけ』のプロモーションビデオに出演。このビデオは「大人の純愛」をテーマに据えたショートフィルム仕立てとなっており、今回の受賞となった。

松田聖子は「このような素晴らしい賞をいただき、ありがとうございます。男女の切ない恋を描きたくて曲を作りました。もし今後機会があれば、ショートフィルム製作もやってみたい」と意欲を見せた。また、ケイン・コスギは受賞式には欠席したが「このような賞をいただき光栄です。現場では細かい部分にこだわりながら撮影が進められ、聖子さんが思い描く世界を共有できました。とてもよい経験をさせて頂けたことに感謝しております」とメッセージを寄せた。

昨年の受賞者であるガレッジセールのゴリが、松田聖子にトロフィーと賞状を授与

昨年の話題賞を受賞したガレッジセールのゴリが、話題賞のプレゼンターとして松田聖子にトロフィーと賞状を授与。ゴリは「沖縄から大阪に転校した時、机に上って松田聖子さんの『青い珊瑚礁』を歌い、次の日から学校の人気者になることができました。ですから松田聖子さんは僕の恩師みたいなもの」と笑いを取り、「今度はケイン・コスギさんではなく、僕とデュエットしてください」とアピールした。

髪を下ろしたゴリは「毎日、大量のジェルやハードスプレーを髪に付けていたのですが、ヘアメイクさんに『3年後にはハゲます』と言われたので、1週間程前に髪型を変えました」と説明

ゴリ「腕の毛深さで僕だと分かるでしょ?」

また今年の各賞受賞作品を決める5人の審査員も登場。寺島しのぶをはじめ、映画『NANA』の大谷健太郎監督、当映画祭の題字を担当した書家・紫舟(ししゅう)、2004年カンヌ国際映画祭のグランプリ作品『オールドボーイ』に出演した韓国俳優のユ・ジテ、ヨーロッパ最大級の短編映画祭「ドレスデン国際ショートフィルム・フェスティバル」のディレクターであるロビン・マリック氏が審査員を務める。

審査員の面々。写真左から大谷健太郎監督、紫舟(ししゅう)、寺島しのぶ、ユ・ジテ、ロビン・マリック氏

審査員の一人である女優の寺島しのぶは、今年結婚した日本在住のフランス人アートディレクター、ローラン・グナシア氏とショートフィルムを見たことに触れ「コンペティション部門にノミネートされたフランス映画『Le Diner(The Dinner)』は、旦那も『(男女が常に愛を語るところが)まさしくフランス映画だ』と話しておりました」と笑顔。さらに「 (才能溢れる)若い監督とお仕事がしたい。ショートフィルムにも出演したいと思っています」と話した。

寺島しのぶ(写真左)も松田聖子(写真右)もラメ入りのドレスで登場

「Short Shorts Film Festival & Asia 2007」の2007年開催概要は以下のとおり
映画祭 メイン会場と開催スケジュール サテライト会場と開催スケジュール 上映作品
Short Shorts Film Festival 2007 ラフォーレミュージアム原宿(6月25日~7月1日) シネマヴェーラ渋谷(6月30日~7月1日) 6プログラム(インターナショナルプログラム)
Short Shorts Film Festival Asia 2007 4プログラム(アジアインターナショナルプログラム)と3プログラム(ジャパンプログラム)