インテルは22日、報道機関向けに同社の最新動向を紹介する「インテル・クライアント・レギュラー・アップデート」を開催した。恒例となっている同催しだが、今回の注目は、春のIDFで語られた超小型プラットフォームを初めとするモバイル分野への取り組みや、45nmプロセス世代の次期プロセッサの話題。ほか、これまでにないユーザー層にPCの価値をアピールする新たな試みが発表されている。
45nm世代の進捗
最初の話題は「Penryn」(コードネーム)。すでに何度かお伝えしているように、45nm Hi-Kプロセスで製造され、大容量L2キャッシュ、47個の新拡張命令群(SSE4)、3GHzを超える動作周波数などを特徴とする新型プロセッサについてである。
このプロセッサの性能を示す資料として、インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は、Penrynのデスクトップ向けクアッドコアである「Yorkfield」(コードネーム)の3.33GHz動作品を用いたというベンチマーク結果のスライドを提示した。Core 2 Extreme QX6800との比較となっており、3Dレンダリングやビデオエンコードなどの項目でおよそ15%~40%の性能向上が見られるとされている。
Penrynのウェハを手に。同アーキテクチャでサーバーからモバイルまでカバー。今年後半から製品が登場し始める |
吉田氏が示したベンチマーク結果。Penrynの同様のベンチマーク結果に関しては、こちらのIDFレポートでも紹介している |
2007年後半のPenryn投入で立ち上がる45nmプロセスについては、同社プロセッサ製品の出荷比率において、2008年Q3を境に65nmプロセスを上回って行く見込みだ。45nmプロセスに対応した工場としては、2007年後半にD1D オレゴン、Fab 32 アリゾナ、そして2008年前半にFab 28 イスラエル、2008年後半にDab 11X ニューメキシコと、4カ所を予定。順調な出荷体制が整うという見通しが語られた。
インテルアーキテクチャをポケットの中に
吉田社長からは引き続き、MID(Mobile Internet Devices)について紹介がなされた。MIDは、フルインターネットを共通要素に、IA(Intel Architecture)をハンドヘルドの分野にまで拡張するような位置づけのデバイスだ。超低電力に高性能、高度な集積によって、これまでのウルトラモバイルPCから、さらに小型なIA搭載端末を目指している。
4~8インチのディスプレイを備え、高画質なストリーミングビデオなどマルチメディアを楽しむのに充分な性能を持ち、スマートフォンに近いスタイルの利用形態も考えられる。スマートフォンにアーキテクチャが採用されることも歓迎したいというのが、同社の方針だそうだ。
コンピュータおばあちゃん!?
パーソナルなコンピューティングにおいて、ユーザーの裾野を拡大する試みも披露された。まずはViiv プロセッサー・テクノロジーに関して、TSUTAYA Onlineとの共同プロモーションを実施。PC向けと携帯電話向けに、5月19日から7月8日までの期間、Viivの魅力を紹介する特設Webを公開している。ほか、渋谷のQ-FRONT 6F Wired Cafeにて、6月23日から7月8日まで、Viiv搭載PCのタッチ&トライコーナーを開設する。
続いて、特にシニア層に向けたプロモーションとして、「すがもパソコン茶屋」と銘打ったPC体験イベントを実施。こちらは主催が"コンピューターおばあちゃんの会"、協賛がインテルというかたちで実現した企画で、茶屋をイメージした店舗スペースの中で、コンピューターおばあちゃんの会会員によるPC体験コーナーを設置。
昭和の名曲を題材とした音楽作成や、デジタルを活かしたヘルスチェックなど、シニアに向けたPCの楽しみ方を紹介する。来場者にはフリードリンクや、120年の歴史を持つ老舗和菓子店による「インテルオリジナル Core 2 Duo どら焼き」(先着100名/日)が振舞われる。店舗の場所は豊島区巣鴨3-16-12、開催日時は7月26日から29日までの各日10時から16時(26日のみ12時開店)。