米Eastman Kodak Companyは6月14日(現地時間)、暗い場所での撮影を改善するイメージセンサー技術を発表した。従来のセンサーに比べて2~4倍の光感度を実現するという。イメージセンサー・ソリューショングループ担当のGMであるChris McNiffe氏は、「光が乏しい環境でもシャープでクリアなデジタルイメージを可能にするという、業界の課題を解決する技術」と説明している。
新イメージセンサー技術は、KodakのBryce Bayer氏が1976年に特許を取得した「Bayer Pattern」を発展させたものだ。Bayer Patternをベースとした今日の設計では、イメージセンサー上のピクセルの半分が緑の光をとらえ、残りのピクセルが赤と青の光を分担している。撮影すると、それぞれのピクセルが感光した情報から、ソフトウエアがフルカラーの信号を再構成して、最終的なイメージとなる。新技術では、赤、緑、青のBayer Patternに全整色のクリアなピクセルが追加されている。このピクセルは可視光線のすべての色に等しく感光するため、センサーの光感度が全体的に向上する。さらに、これらのピクセルの並びに最適化されたソフトウエアアルゴリズムを組み合わせることで、同じ露出で従来よりも速いシャッタースピード、撮影パフォーマンスの向上などを実現するという。
Kodakは現在、新技術を用いたCMOSセンサーを開発中で、CCDへの応用も可能だという。順調に進めば、2008年第1四半期に最初のセンサーのサンプリングが行われる予定だ。