インテル、フェイス、吉本興業が3月から共同で実施している、権利認証技術「NFRM(Near Field Rights Management)」を利用したコンテンツ配信の実証実験で13日、都内のライブ会場を利用した体験イベントが開催された。
このコンテンツ配信実験ではFeliCa機能を搭載した携帯電話を利用し、利用者が視聴したい動画などを携帯電話の画面上で購入すると、その電話機自体にコンテンツを再生するための権利情報が格納される。FeliCaポートを搭載したPCに携帯電話をかざすと、高画質の完全版をPCの画面で楽しむことができる。
その場で携帯版のコンテンツを視聴できるほか、その携帯電話をPCにかざすとPCでフルバージョンの再生が始まる。インターネットに接続されたFeliCaポート搭載PCがあれば、携帯電話を持ち歩くだけでどこでもコンテンツが楽しめる |
人に貸したり共有したりすることが少なく常に持ち歩いている携帯電話で権利認証を行うことにより、正規の再生権を持つ利用者であることを確実に識別できる。また、権利情報とコンテンツ自体のデータが別々になっているので、利用者は携帯電話さえ持っていれば、友人の家に行ったときその場でコンテンツをダウンロードして楽しむといった使い方もできる。
応用例としては、移動中や外出先でのちょっとした空き時間に携帯電話を使って見たい映画を購入し、自宅に帰ってからゆっくり楽しむといったレンタルビデオ代わりのサービスや、イベント来場者向けの特典として限定コンテンツの再生権を配布するといったものが考えられている。
この日は恵比寿・LIQUIDROOMで開かれたRAM RIDERのライブイベントに合わせ、会場の一角にノートPCと携帯電話を用意して、NFRMを利用したコンテンツ配信の仕組みを体験できたほか、来場者が持参した携帯電話が対応機種であれば、おサイフケータイの「トルカ」機能を利用してコンテンツの再生権を持ち帰ることもできた。また、当日のライブの模様を収録した映像が、NFRM実証実験の配信コンテンツとして後日追加されるという。
NFRM実証実験は6月末までサイト(http://nfrm.jp/ 携帯電話用サイト)上で行われ、ニュース、スポーツ、ドラマ、音楽、アニメ、英会話講座といった動画コンテンツが提供されている。実験期間中のコンテンツ利用料金は無料。利用にはiモードFeliCaに対応したFOMA携帯電話が必要。