東京ミッドタウンは11日、同施設内のアート作品を巡るタウンツアー「ユビキタス・アートツアー」の記者会見を行った 。ユビキタス技術を駆使した本格的なツアーは日本初といわれており、13日からスタートする。
同ツアーは専用端末「ユビキタスコミュニケータ(情報端末機器)」の案内により、参加者が東京ミッドタウン内に常設されている約20のアート作品 を見て回るというもの。各作品の概要や所在地までの情報は、専用端末によって約500カ所に設置された「uコード マーカ」から自動的に取得されるという。利用者は専用端末によりアート作品まで誘導され、作品について説明を受けることができる。音声による作品の概要説明のほか、制作風景や作家へのインタビューも動画で提供するとしている。言語は5カ国語(日、米、仏、中、韓)に対応しており、ツアーは120分、30分コース、雨の日コースなど全7コースを用意する。
13日のスタートに先駆けて行われた記者会見では、三井不動産の執行役員で東京ミッドタウン事業部長の市川俊英氏が同ツアーの導入についてコメントした。
東京ミッドタウン事業部長 市川俊英氏「東京ミッドタウンは『JAPAN VALUE』をコンセプトに掲げ、新しい日本の価値や感性、才能を世界に向けて発信していくことを目指しています。東京ミッドタウンの特徴の一つであるアートを広大な敷地内で堪能するというツアー内容に最先端の技術を導入した今回の企画は、まさに機能の複合・融合を象徴している『JAPAN VALUE』の発信だと思っています」
また市川氏は「将来的にはユビキタス技術を利用し、施設内の店舗の紹介やトイレなどへの誘導も可能にしたい」と述べた。
続いて、同ツアーのユビキタス技術の導入について共同開発を行ったYRPユビキタス・ネットワーキング研究所の所長兼東京大学教授 である坂村健氏からは、ユビキタスシステムの説明や今後の展開が語られた。
YRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長 坂村健氏「これからは必要な時に必要な情報が得られるような時代。今回のように、オープンな空間でユビキタス技術の利用をすることは世界的にも新しい取り組みです。市川氏が述べたように、今後の目標はアートツアーだけでなく、様々なサービスにおいてのユビキタス技術の活用です」
なお同ツアーは、東京都による「東京ユビキタス計画」と連携したプロジェクトであり、「今後は六本木周辺地区や銀座エリアでユビキタス技術を展開していく」(坂村氏)という。
ツアーの申込みは、同施設ガレリア3Fの「東京ミッドタウン デザインショップ」内ツアーカウンターにて受け付けるほか、ウェブサイトや電話からも予約を受け付ける。受付時間は11時~18時まで、端末の貸出時間は2時間と設定している。料金は貸出料500円、保証金500円とし、保証金は端末返却時に返金。なお、端末の用意は50台としている。